Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

#食と生活

納豆の日ー食べ方常識の検証

7月10日は納豆の日です。これは昔からある習慣ではなく、1981年に関西限定の記念日として業者が決めていたものが、1992年に全国版として広がったものです。今日、テレビでも取り上げていましたし、スーパーの納豆売り場に行ったらしっかりと宣伝がありました…

日本人だけが海藻を消化できる?

はじめに 前のページで「食生活と腸内細菌」というブログ記事を書きました。そしたら、それを見たという知り合いから「日本人は海苔を食べているので、外国人と違って海藻を消化できる腸内細菌がいると聞いたが、本当か?」と連絡がきました。私は「半分当た…

食生活と腸内細菌

腸内細菌は、食生活や健康との関連で今や頻繁にメディアにも取り上げられる一般的な言葉になりました。ときには腸内フローラという言い方もされます。今日のNHK-Eテレ「人生レシピ」では、再放送(昨年4月放送分)でこの話題ついて取り上げていました。 まず…

菜箸

菜箸は料理には必須の道具です。菜箸は普通の箸より長いですが、私はその理由を炒め物をかき混ぜるときに便利なように、加工されてきたものと思っていました。しかしながら、今朝のNHKあさイチを観てそうではないことを理解しました。 結論から言うと菜箸は3…

炊きたてのご飯が美味しいわけ

今朝のNHK「チコちゃんに叱られる」を観ました。テーマの一つが「炊きたてのごはんがおいしいのはなぜ?」というものでした。放送でのこれに対する答えは、「炊きたてはαデンプンなのに、時間が経つとβデンプンに戻るから」でした(図1)。これについて補足…

梅干し作り-3

1週間前に梅酢が出た梅をシソ漬けにしました↓。 梅干し作り-2 今日は、それを冷蔵庫から取り出し、全体にシソの色が馴染むように1回目の切り返しを行ないました。 写真1は1週間前のもの、写真2は今日の状態です。きれいに赤く染まっています。容器のフタ…

梅干し作り-2

毎年行なっている梅干し作りの仕込みとして、3週間前に熟梅を食塩といっしょにホワイトリカーに漬けました↓。 梅干し作り-1 - Dr. Tairaのブログ だいぶ梅酢が出ていて、シソを入れるタイミングを考えていましたが、やっときれいなシソが買えましたので今日…

NHKあさイチでの梅利用の取り上げ方

今朝(2018年6月19日)のNHKあさイチでは食としての梅の利用法についていろいろと紹介していました。梅といえば梅干しが代表的なのものですが、この放送では梅ジュースの簡単な作り方を取り上げていました。電子レンジを使って市販の梅を簡単にジュースにす…

八丁味噌

八丁味噌(はっちょうみそ)と言えば、愛知県岡崎市八帖町で生産されている長期熟成させた豆味噌です(写真1)。外見はアンコのような色をしていて、独特のうま味があります。岡崎出身の武将、徳川家康の健康と長寿を支えたのが「麦飯と豆味噌」だったと言わ…

梅の醤油漬け

先日、梅干し作りのための仕込みを行いましたが、また梅を1 kg買ってきました。今度は、これも例年作っている梅の醤油漬けにすることにしました。梅干しとはまた違ってとても美味しいです。 材料は南高梅です(写真1)。先日のものよりは安く、そのせいか香…

梅干し作り-1

梅干しは日本の食文化を代表する伝統食品の一つです。 昔は梅干しと言えば「酸っぱい」というイメージがありましたが、最近の市販梅干しは甘みが強くなっています。甘味料が添加されているからです。水飴などに加えてステビアやスクラロースといった代替甘味…

グミサプリとソーマチン

世の中にはたくさんの代替甘味料が出回っています。本ブログでも以下のように取り上げてきました。 ノンアルコール飲料 スクラロース 代替甘味料 私はサプリメントを買うことはほとんどないのですが、今日は奨められて味覚糖のグミサプリなるものを食べてみ…

小豆島で見た醤油作り

瀬戸内海・播磨灘に浮かぶ小豆島(香川県小豆郡)は、素麺、醤油、佃煮、胡麻油、オリーブなどの生産が盛んであり、いずれも日本有数の生産地となっています。数年前、招待講演でこの島を訪れる機会があり、ついでに醤油作りを直に見ることができました。そ…

醤油の作り方と種類

醤油は味噌やうま味調味料などとともに、私たちの食生活にはなくてはならない発酵調味料です。前のページで、醤油の種類や使い分けについて述べました↓。 醤油の種類と使い分け ここではあらためて醤油の作り方について簡単に紹介したいと思います。 醤油の…

醤油の種類と使い分け

醤油は、私たちの食生活にはなくてはならない調味料であり、伝統的発酵調味料の一つです。しかしながら、醤油の種類については意外と理解していないことも多いのではないかと思います。たとえば「普通の醤油」、「丸大豆醤油」、「生醤油」の違いがわかって…

納豆

今夜(2018年5月28日)、TV東京「世界!ニッポン行きたい人応援団」を観ていたら、納豆作りを38年間続けている米国人夫婦が出ていて、日本へ招待されていました。私も納豆が好きでよく食べますが、今日TVで紹介されていた製法は、炭火(七輪)を使った保温で…

ノンアルコール飲料

世の中には、ノンアルコール飲料、あるいはビールテイスト飲料と呼ばれる飲み物が市販されています。けっこう売れているようです。夕方のTBSニュース番組Nスタを観ていたら、ノンアルコール飲料を取り上げていました(図1)。 図1. ノンアルコール・ビールテ…

炭水化物ダイエットで老化する

今朝TV朝日の羽鳥モーニングショーを観ていたら、レギュラーの玉川氏のコーナーで炭水化物ダイエットの影響について伝えていました。結論は「炭水化物ダイエットで老化する」ということです。取材情報源は、東北大学大学院農学研究科の都築毅東北大准教授(h…

ビフィズス菌

はじめにービフィズス菌は広義の乳酸菌である ビフィズス菌(bifidobacteria)は、グルコースを発酵して乳酸を主要発酵生産物の一つとして生成する細菌です。すなわち、広義の「乳酸菌」です。しかし、乳酸菌とは別の細菌として取り扱われることも多いです。…

青梅の毒性

4月1日に近くの梅園で梅の実がなり始めていることを記しました↓。 梅の実 - Dr. Tairaのブログ 今日同じ場所を歩いていたら、もうたくさんのきれいな青梅が落ちていました。拾ってきました(図1)。 図1. アップルPCの横の青梅 梅は梅干しや梅酒などで私たち…

ナットウキナーゼが効く?

カテゴリー:食と生活・食品微生物 普段夕食後はニュースの時間まであまりテレビを真剣に見ないのですが、今日はたまたまTBSの「この差って何★」という番組を見ていて、アレッ?と思ってしまいました。 番組中で、納豆をテーマに白澤先生という人がアレコレ…

バナナヨーグルト

滅多に食べない甘味料が入った市販のヨーグルトですが、先日久しぶり食べたことをブログに記しました(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16232347.html)。食べない主な理由は、ヨーグルトの甘みが気に入らないからです。 今日、スーパーマーケット…

スーパーで手に入る純水の落とし穴

スーパーに行くと、RO水、純水、クリアウォーターなどと銘打った飲料水をタダで、あるいは安く提供しているところがあります。私のウチの近くのスーパーにもその装置が置いてあり(図1A)、専用の容器が売られています(図1B)。健康で安全な水という印象が…

食品の水分活性

はじめに 食べ物にどのくらい水分が含まれているかという場合、一般にその割合を含水率として%表記します。含水率70%ということは、その食品の重量の70%が水であるということになります。水分が多いと食べ物が腐りやすい、乾燥していると腐りにくいというこ…

低温殺菌

先の記事で牛乳の殺菌と風味について紹介しました↓。この中で、牛乳を低温殺菌すると風味が損なわれず、生乳に近い味が楽しめることを述べました。 このように、低温殺菌は飲食品の風味や化学成分の変化を最小限にした殺菌法です。具体的には飲食品を60–65℃…

牛乳の殺菌と風味

牛乳は毎日のように飲まれる飲料品の一つです。購入するときには、おそらく牛乳パック上部に記してある賞味期限をチェックすることが多いと思いますが、裏面の表示に目が行くことは少ないのではないでしょうか。 裏面の食品表示には、無脂乳固形分、乳脂肪分…

包丁の切れ味と料理の美味さ

NHKあさイチのMCが博多華丸大吉に替わりましたが、番組の色がどうなっていくでしょうか。 今日のテーマは包丁の切れ味と切り方でした。包丁の切れ具合がいいと野菜も肉も美味しくなるそうです。切れ味のいい包丁と悪い包丁で作ったトマト料理とステーキを、…

スクラロース入りヨーグルト

今日のランチのデザートでアロエヨーグルトを久しぶりに食べました。いつものクセで食品表示を見たら、スクラロースが入っていました(図1)。スクラロースは別ページでも紹介しましたが、代替甘味料(人工甘味料)の一つです↓。「おおー、これにも入ってい…

ホンビノス貝ー食用外来種

全国的にはまだ知名度は低いですが、ホンビノスガイ Mercenaria mercenaria という二枚貝が関東のスーパーで食材として売られています(図1)。大アサリの別名もあります。 私もときどき購入して御澄ましや味噌汁にして食べています。だし汁はハマグリとアゲ…

発酵と腐敗

はじめに 私たちの生活の中で食べ物が腐るというのはしばしば経験することです。とくに冷蔵庫の奥で、いつのまにか腐っていた、化石化していた、という残念な結果を見ることがあります。私たちは嗅覚によってものが腐ったということを生物学的に認識し、それ…