Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ツマグロオオヨコバイ

今日は今年最後のエノキの根元の幼虫観察に出かけました。樹高20 m前後の大木を中心に20本以上のエノキの落葉の下を探し回りましたが、1本の幼木からアカボシゴマダラが出てきただけでゴマダラチョウは見つからず、ほとんど空振りに終わりました。 写真1は、…

ゴマダラチョウの受難-3

私が昆虫の定点観察をしている都市公園の一つとして、千葉県柏市しいの木台(旧昭南町)にあるしいの木公園があります。昆虫の観察といっても、この公園は近隣公園と街区公園の中間くらいの小さな公園(1.2 ha)で、ほとんどがスポーツなどのレクリエーショ…

緑の砂漠

前のページで都市公園の植栽管理について感じることを述べました↓。 都市公園の植栽管理を考える-2 すなわち、多くの市は公園のあり方の目標の一つとして生物多様性や自然との共生を掲げていますが、実際は勘違いがあったり、間違ったアプローチをとっている…

都市公園の植栽管理を考える-2

私は昆虫の定点観察として都市公園を対象の一つにしています。それゆえ公園内の植栽、樹木の剪定・伐採、下草の刈り込み、落葉の除去などの管理状況を見る機会がたくさんあるのですが、その度にその管理法に疑問が湧いてきます。市による公園管理の名目と実…

特定外来生物としてのアカボシゴマダラを考える

このブログでも何度となく取り上げてきましたが、あらためてアカボシゴマダラ Hestina assimilis (図1)の特定外来生物としての妥当性を考えたいと思います。 本種は1990年代から関東において突如姿を現し、その後分布域を広げてきました。関東産は在来の奄…

エノキの伐採

私の住む街では、街のど真ん中に約300 mに亘ってとびとびにエノキが連なる貴重な緑地があります。5–20 mの中高木と1–2 mの幼木が混在する場所(写真1)で、ゴマダラチョウとアカボシゴマダラをいっしょに見ることができます。 写真1 しかしゴマダラチョウの…

メタンの放出で地球温暖化が加速

今日は平成最後のクリスマスですが(何の脈絡もない言い方ですみません)、朝からテレビ(TBS「あさチャン」)で深刻な話をしてました。地球温暖化と気候変動が加速し、私たちの生活が激変するという話です。 その原因の一つが大気中へのメタンの放出です(…

落葉が風で飛ばされる

今日は快晴でしたが北風が強い日でした。少し風が気になって定点観察しているエノキの大木をチェックしに行きました。案の定不安が的中してしまいました。 写真1は一昨日落葉の下からゴマダラチョウの幼虫を見つけたエノキの根元です↓。 エノキの高木とゴマ…

落葉の下の3齢幼虫

今日は予定していた行事がキャンセルになったので、小雨の中でしたが朝からアカボシゴマダラの定点観察に出かけました。目的地は、樹高2 m以下のエノキの幼木がたくさん見られる公園および林に隣接する農道です。 すでに多くの幼虫が幹上から地面に降りてい…

エノキの高木とゴマダラチョウ

前のページでゴマダラチョウとアカボシゴマダラの棲み分けの可能性を指摘しました。すなわち、ゴマダラチョウの幼虫は食草であるエノキの中では高木を好み、かつ低幼木でも発生しているということがありますが、アカボシゴマダラの幼虫はもっぱら幼木に親和…

私たちは外来生物を受け入れる必要がある?

環境問題の一つとして外来生物による生態系の撹乱や人的被害があります。外来生物の問題については以前のページで概略を述べました。↓ 第3の外来生物-1 外来生物とは、ある生態系にそれまで存在していなかった生物種が外から侵入してくる場合において、その…

アカボシゴマダラの越冬型幼虫の非典型的個体

前のページでゴマダラチョウ、アカボシゴマダラ、オオムラサキの越冬型幼虫の形態に基づく識別法について記しました。↓ コムラサキ亜科チョウの越冬幼虫の見分け方 - Dr. Tairaのブログ 再度、3者の識別法を図1に示します。最も簡単なのは背中にある突起対…

ゴマダラチョウの受難-2

街の中や郊外で動植物のフィールド調査を行なっていると、どうしても人為的な影響で調査を中断せざるを得ないことがしばしばです。私が行なっているエノキ上のHestina属チョウの幼虫動態調査はとくにそうです。人の手による木の伐採と落ち葉の除去が大きな負…

ゴマダラチョウの受難

カテゴリー:エノキ下の越冬幼虫の探索 今日は昨日に引き続きフィールド調査に行ってきました。アカボシゴマダラとゴマダラチョウの越冬型幼虫の分布調査です。 前のページでも述べましたが、これまでの調査データに基づけば両種の幼虫は棲み分けをしている…

公園から持ち去られたサナギ

今日は強行軍でしたが、千葉と東京の都市公園をハシゴしてアカボシゴマダラの幼虫の動態調査を行いました。調査したすべての公園でエノキの葉上から幼虫は完全に姿を消し、幹上の個体も半分以上は地面に移動していました。 12月4日、本ブログでアカボシゴマ…

静電気と柔軟剤

今朝のNHK「あさイチ」では、生活における静電気を取り上げていました。冬になると静電気が発生しやすくなります。服を脱ぐ時やドアノブを触った時にパチパチっとするあの嫌な感触であり、誰もが経験しています。 番組でまず紹介していたのは、服の素材と静…

Stop the landfill of Henoko/Oura Bay

昨日、「辺野古の海を考える」という記事を載せました(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16599039.html)。 米軍基地移設に伴う辺野古・大浦湾の埋め立て工事が始まり、大量の土砂が投入されています。 各メディアのニュースやSNSから知るところで…

アカボシの成虫は冬でもいる?

関東を中心に生息する外来種アカボシゴマダラは、少なくとも年3回発生すると言われています [1]。発生時期は5–10月です。しかし詳しいことはよくわかっていないようです。私は11月下旬まで成虫を目撃したことがありますので、年4回の発生というのもあり得る…

辺野古の海を考える

12月14日、名護市辺野古大浦湾における米軍普天間飛行場移設の埋め立て工事の一環として、海への土砂投入が始まりました。昨日は各局このニュースを伝えていました(図1)。 図1. 辺野古における米軍基地移設のための埋め立て(土砂投入)の開始(2018.12.14…

葉上からの幼虫の移動

この2、3日厳しい寒さが続いています。さすがにこの寒さに耐えかねたのか、これまでエノキの葉の上でがんばっていたアカボシゴマダラの幼虫が、すっかりいなくなりました。幹上の越冬型幼虫(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16596715.html)も多…

今日のアカボシゴマダラ

今日は、雑木林と畑が広がる里山風景の観察ポイントにアカボシゴマダラのフィールド調査に向かいました。 農道沿いにエノキの幼低木が並んでおり、10年程前からアカボシの発生が見られる場所です。以前はたくさんのエノキがあったのですが伐採が進み、今は5…

家庭のゴミ捨て

今日のNHK「あさイチ」は家庭におけるゴミ捨ての方法を取り上げていました。生ゴミやプラスチック廃棄物をいかに手際よく、気持ちよく捨てるかというコツの紹介です。 とくに問題になるのが生ゴミです。私は生ゴミは基本的に外に出したことがなく家で処理し…

手にジョロウグモが..

朝出かける時に手がモゾモゾする感じがして、見てみたらジョロウグモがくっついていました(写真1)。それにしても、いつ、ついたのでしょうか。丸められた蜘蛛の糸もいっしょにくっついています。 写真1 そっと地面に下ろしたら、今度は靴の上に登ってきま…

ジオエンジニアリング

先日、NHKのニュースウォッチ9でジオエンジニアリングを取り上げていました。ジオエンジニアリングとは、環境を地球規模で人工的に変えていく技術のことです。主目的は地球温暖化の防止で、ずばり人工的に地球を冷やすというものです(図1)。 図1. ジオエン…

雑木林と湿地の植物

昨日はある公園に昆虫観察に出かけましたが、周辺で見られた植物を続きとして紹介します。観察した場所は比較的大きな公園の一角にある雑木林とそれに隣接する湿地です。普段は一般人は入れないエリアですが、休日は30分ほどの一般公開の時間が設けられてい…

今日の昆虫-12/9

今朝は12月に入って一番の寒さでしたが、冬の昆虫観察に出かけました。定点観察のポイントに出向き、ルーチンのエノキ上の観察を行なっていたところ、コバネイナゴ Oxya yezoensis が葉っぱの上にとまっていました(写真1)。 写真1 さらに、となりのエノキ…

エノキの伐採に思うこと

ニレ科の樹木であるエノキ(Celtis sinensis var. japonica) は日本を含む東アジアにおける代表的な落葉広葉樹です。樹高は20 mにもなります。塩害に強く、公園樹、庭園樹、風致木としても利用されていますが、公園における植樹といえば圧倒的に常緑樹が多い…

冷蔵庫のスッキリ術

今朝のNHKの番組「助けて!きわめびと」では「冷蔵庫のスッキリ術」として、冷蔵庫をすっきりさせるための買い物の仕方、食材の選択法、献立の立て方などを紹介していました。要約すると、1週間分の食材をまとめ買いし、1週間で使い切るということでした(図…

道を歩いていたら...

今日夕方街の中を歩いていて、小さな公園の前を通り過ぎようとしました。そしたら、公園の一角に生えている低木に緑の物体がくっついているのがサッと目に入りました。危うく通り過ぎるところでしたが、振り返って近づいてみると何とエノキの低木の幹にアカ…

今日の植木鉢処理器-12/7

久しぶりの植木鉢式生ゴミ処理器の更新です。私は約30年前から植木鉢を利用した生ゴミ処理を行なっていて、生ゴミを可燃ゴミとして外に出したことはありません。ちょっと工夫すれば、十分に家庭で生ゴミ処理を行うことができます。 写真1は、今日の生ゴミ処…