前のページで都市公園の植栽管理について感じることを述べました↓。
すなわち、多くの市は公園のあり方の目標の一つとして生物多様性や自然との共生を掲げていますが、実際は勘違いがあったり、間違ったアプローチをとっている現状を紹介しました。
今日寒い中、昆虫の定点観察のついでに都市公園の一つに行ってきました。規模としては「近隣公園」に属します。
想像はしていましたが、今日訪れた公園もいわゆる「緑の砂漠」状態でした。写真1は公園の一角ですが、ツツジの直線的な植栽があり、それに沿ってマテバシイの樹木が伸びていました。下草や中間木はなく、落葉もきれいに除去されています。およそ生物多様性とは程遠い風景で、果たしてどのような目的でこのような作りになっているのでしょうか。
どうも日本の公園作りでは、一元的にツツジの囲みと同じ種類の樹木を並べるというやり方が好きなようです。しかも樹木は圧倒的に常緑樹が多いです。この公園は関東にありますが、南方系のマテバシイをやたら植えるというのもよくわかりません。
写真1
別の一角には松の樹木が並んでいました(写真2)。このエリアの作りも目的がよくわかりません。
写真2
写真3
防犯上の理由から公園の見通しをよくすることは必要ですが、なぜ生垣のように低木で公園を囲んだり、境目なく直線的に植栽が行われるのか、私は理解できません。個人の家ではないので、人が入れないような生垣、それもツツジ一色、アベリア一色の植栽をする必要はないと思うのですが。
多くの人は整然と一色に並んだ植栽を美しいと思うのかもしれません。しかし、私はこのような公園を見ると建築物と同じような人工的な空間と感じてしまい、美しいとは感じません。緑の砂漠に見えてしまいます。もっともこの都市の中のような近隣公園自体が人工物ですが。
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