Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2022-01-01から1年間の記事一覧

第8波流行でまた最悪被害を更新か

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 日本はCOVID-19流行で世界各国とは異なる傾向を示しています。それは、第5波以降、流行ピークが来るたびに、過去最悪の感染者数と死者数を更新していることです。オミクロン変異体になってから、ワクチン接種の効果…

SARS-CoV-2:史上最大の隠蔽工作

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 英国の日刊タブロイド紙ザ・サン(The Sun)は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源について、史上最大の隠蔽工作が行なわれたとするオンライン記事を配信しました [1](下図)。これは、中国の武漢ウイルス研…

コロナ感染男性は精子濃度が低下する

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに COVID-19における罹患後症状(post CoVID-19 conditions)の一つとして、男性の生殖機能低下が懸念されています。SARS-CoV-2は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を通じて宿主細胞内に侵入しますが…

「屋外でマスクは不要」キャンペーンの危険性

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 2022.11.29更新 はじめに 前のブログ記事でも述べましたが、SARS-CoV-2のオミクロン変異体BA.5は感染力がきわて強く、基本再生産数(R0)は18.6と推定されています。これはオリジナルの武漢型に比べて約6倍、季節性イ…

パンデミックの行方

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめにーコロナ収束の風潮 世界保健機構WHOの事務局長テドロス氏は、今年9月14日の記者会見で「パンデミックの終わりは見えている(The end is in sight)」と発言しました。同時に、パンデミックを終わらせること…

盛り上がらないワールドカップ?

カテゴリー:社会・政治・時事問題 2022.11.24更新 はじめに FIFAワールドカップ(WC)カタール2022が始まりました。試合のみならず、テレビのニュース画面に映し出される各国のサポーターの熱狂的な姿を見るにつけ、現場の興奮が伝わってきます。私は、20年…

免疫負債?

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2022/11/20/222339

スパイクタンパク質とスパイクmRNAの核内移行

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、特に脆弱な高齢者層に深刻なCOVID-19の病態を引き起こし、SARS-CoVやMERS-CoVよりも高い病原性と感染力を持ちます。表面の突起物であるスパイク(S)タンパク質がヒト…

不活化ワクチンのmRNAワクチンにはない意義

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 私は約1年半前のブログ記事で、mRNAテクノロジーを使った今のCOVID-19ワクチンは失敗ではないかと述べました(→ワクチンとしてのスパイクの設計プログラムの可否)。主な理由は二つあります。その一つはウ…

なぜmRNAワクチンのレトロポジションの可能性が無視されるのか

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2022/10/31/090709

mRNAワクチンは接種者全員の心臓を傷つける

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 修飾mRNAベースのCOVID-19ワクチンは、従来型のワクチンに比べて多くの副作用(副反応)と後遺症という健康被害をもたらし、接種後の有害事象や死亡も多発しています。厚生労働省は、10月27日、疾病・障害認定審査会…

ロシアは内部混乱に直面ー戦争で辞任した元外交官が語る

カテゴリー:社会・政治・時事問題 ロイターは、ロシアの元外交官が書いたウクライナの戦争をめぐるロシア批判の記事を紹介しました [1](下図)。このロイター記事は日本語でも配信されていますが [2]、短縮版なので、このブログで全文を翻訳して紹介します…

ヴァリオレーション仮説ーマスクの隠れた効果?

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに このところ、欧州ではCOVID-19流行が再燃しています。また、米国では新しいオミクロン亜型ウイルスの検出が増えてきました。これらを鑑みると、そして海外からの来日制限・検疫が大幅に緩和されたことを考…

新型コロナウイルスは宿主のエピジェネティク制御をかく乱する

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は2019年末に出現し、COVID-19の世界的大流行(パンデミック)を引き起こしました。その感染拡大の一因としては、ウイルスの宿主細胞の応答を効果的に抑制する能力にある…

ワクチンと抗体医薬が促す免疫回避ウイルスの出現

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 現在流行のSARS-CoV-2オミクロン変異体は、継続的に進化を続けています。特に医者の中には、今後風邪のようなウイルスになるという人もいますが、それは単なる寓話であり、どのように進化が収束していくかは誰にも予…

海外メディアが伝えた国葬に抗議する焼身事件

9月21日朝、首相官邸近くの路上で男性が自らの体に火をつける事件が起こりました。報道によると、男性が火に包まれているのを見た人たちが警察に通報し、駆けつけた警官が火を消し止め、その男性を病院に運びました。意識はあるようですが、その後容体につい…

パンデミックは終わっていないー米国メディアの論調

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 今日(9月21日)午前の記者会見において、松野博一官房長官は、日本で新型コロナウイルスのパンデミック終了宣言をすることは「現時点で考えていない」と述べました [1](以下の動画参照)。 これは、ニコニコの記者…

ニューヨーク交通局の新しいマスク画像をめぐる話題

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 私は日頃、海外の研究者(主に微生物やウイルス学)と情報交換をしていますが、COVID-19パンデミックに対する各々の国の対策についても教えてもらっています。その中で、ニューヨーク市(NYC)にいる知人からのメー…

長期コロナ症状を抱える"long haulers"

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 世界保健機構(WHO)のテドロス事務局長は、9月14日の記者会見において、パンデミックの終わりは見えている("The end is in sight")と述べました [1]。世界におけるCOVID-19の死者数が、流行初期である2020年3月以…

子どもへのCOVIDワクチンの影響:NEJM vs. デイリー・セプティック

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 最近、子どもに対する COVID-19 mRNAワクチンの効果に関する調査研究結果が、コレスポンデンス論文としてニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)誌に掲載されました [1]。これは、米ノースカロ…

被害拡大させて規制緩和する不思議な国

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 日本国内の新型コロナウイルスの感染者数の累計は、今日時点で2000万人を超えました [1]。 このわずか2カ月弱で1000万人も増えたことになります。オミクロン変異体亜系統のBA.5ウイルスの伝播力の凄まじさ…

コロナ被害の認知的錯覚による誤解

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる感染者数、重症者数、死者数などは、毎日各々の実数が報告されています。私たちはこれらを参考にしながら、流行や被害の状況を知ることができます…

新型コロナウイルスはどのように、どこまで変異するのか

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) カテゴリー:ウイルスの話 はじめに 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が媒介するCOVID-19は、今なお世界中に被害をもたらしています。最も困難な問題の一つは、このウイルスのゲノム配列が継続的に変異・進化してい…

全数把握見直しをめぐる混乱と問題

はじめに 日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規陽性者は、7月終わり頃から20万人を超える日が多くなり、入院患者と自宅療養者の数は200万人近くに達し、医療崩壊に至りました。それに伴い、新規陽性者数の全数把握の作業の過重負担が問題…

ウィズコロナの不平等リスクが顕著化した日本

はじめに オミクロン変異体BA.5亜系統による第7波流行は、不幸にして急拡大し、犠牲者を増やし続けています。これは、ウィズコロナ戦略における不平等リスクが、政府、為政者の不作為によって、そして担当専門家による認知バイアスによって顕著化した結果と…

米CDCガイドラインとwithコロナ

はじめに 昨日(8月12日)、このブログで、米国CDCのCOVID-19対策に関する改訂ガイドラインを紹介しました(→COVID-19インパクトの最小化ー米CDCガイドライン)。このガイドラインはパンデミック対策の主旨がきわめて明確に記述されています [1]。しかし、同…

COVID-19インパクトの最小化ー米CDCガイドライン

はじめに 米国CDCは、8月11日(現地時間)、COVID-19の感染症対策や公衆衛生に関するガイドラインを改訂しました [1]。日本のメディアは早速これをとりあげていますが [2]、「米CDC、コロナ感染者の接触者は隔離不要、高性能マスク着用に」などと、「軽くな…

起こるべくして起こった医療崩壊、そして専門家有志提言の無味乾燥感

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 全国で感染拡大が止まらない新型コロナウイルス(オミクロン変異体亜系統BA.5)の第7波ですが、もはや検査による患者確定が追いつかず、頭打ちの様相を呈してきました。欧米先進諸国は全数把握をやめていま…

ゾンビのように復活した「37℃, 4日以上」のなぜ?

はじめに パンデミックが始まった当初に政府や専門家から出された悪名高い、いわゆる「37℃, 4日間」の受診の目安は、まだ記憶に新しいところです(→新型コロナ受診の見直しについて思うこと)。私は、コロナパンデミックの間、このフレーズを聞くことは二度…

「コロナが5類引き下げになったら」で想像できること

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