Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ウスベニアオイ

今日もアカボシゴマダラやゴマダラチョウの定点観察に出かけました。途中小川沿いに遊歩道がある里山風の緑地帯があり、ウスベニアオイ Malva sylvestris が咲いていました(写真1、2)。誰かが植えたのでしょうね。 ウスベニアオイはアオイ科ゼニアオイ属の…

今日の昆虫-5/30

カテゴリー別記事 - トップページ 今日もエノキの定点調査に行きました。ゴマダラチョウやアカボシゴマダラはもう羽化した個体が多いので、もっぱら探すのはオオムラサキの幼虫や蛹です。幼虫は数頭目撃できましたが、距離が離れていてうまく撮影ができませ…

ゴマダラチョウの蛹

この時期ゴマダラチョウの越冬幼虫は蛹化し、次々と羽化しています。しかし自然の中でゴマダラチョウの蛹を探し出し、羽化のシーンを撮影するのは至難の技です。 アカボシゴマダラの場合はエノキの幼木に幼虫を見つけてさえいれば、その幼木か周辺1 m以内の…

今日の幼虫-5/27

日本の東の方は5月とは思えないほど暑いですね。ウチの小庭にいるチョウの幼虫たちももすくすくと育っています。 最初は柑橘類にいるナミアゲハの幼虫です(写真1)。4齢になったばかりです。ちなみにこれに先駆けて生まれた第一団はすでに蛹になっています…

ゴマダラチョウの羽化と巣立ち

私のウチのすぐ近くには街区公園や小さな緑地があってエノキの高木が数本あります。それらのエノキには、数は少ないながらも毎年のようにゴマダラチョウの越冬幼虫を見ることができるのですが、成虫はこの30年間一度も見たことがありません。 これらの公園や…

アカボシゴマダラの蛹-2

アカボシゴマダラの蛹については前のブログ記事でも紹介しました。あらためてここで画像を載せたいと思います。写真1の左がアカボシで右は比較として挙げるゴマダラチョウです。両者は色、形が似ていますが、アカボシは背部各節先端にあるギザギザが特徴であ…

女性議員はなぜ少ないかー世論調査に見る理由

今年(2019年)7月には参議院選挙があります。巷にはひょっとすると衆議院解散でダブル選挙になるかもしれないとの情報も流れています。いずれにせよ、国政選挙を控えて国民のマインドはどのような状態なのか気になるところではあります。 朝日新聞は2019年3…

ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの蛹

この時期、アカボシゴマダラの越冬幼虫はあちこちの公園などで蛹化し、次々と羽化しています。近くの緑地の1つでも春型(白化型)の成虫が乱舞しているところを目撃しました。同属異種のゴマダラチョウも蛹化し、これまで1頭の成虫の羽化を同じ緑地で目撃し…

5月の定例RDD調査

朝日新聞による2019年5月分の定例RDD調査が公表されました [1]。いつも言っていることですが、回答者の性別、年齢、職業などの属性を公表しているのは朝日新聞だけです。他のメディアによる世論調査も比較して分析したいのですが、属性データが一切ないので…

アオスジアゲハ

アオスジアゲハ Graphium sarpedon は、アゲハチョウ科アオスジアゲハ属に分類されるチョウの一種で、ナミアゲハと並んで都市の中でも最も普通に見られるチョウです(写真1)。幼虫の食草はクスノキ、タブノキ、シロダモなどのクスノキ科植物で、とくにクス…

チョウの幼虫の飼育

私のウチの小庭には柑橘類、山椒、クチナシ、パセリなどの鉢植えがあり、またエノキやクスノキなどの自然低木が生えています。これらの草本にはさまざまなチョウ目の昆虫が訪れては産卵していきます。大部分の鉢植えは人間の食用のために置いているのですが…

有機フッ素化合物汚染の脅威

昨夜のNHK「クローズアップ現代」ではPFOA/PFOSによる環境汚染と健康被害を取り上げていました。PFOAおよびPFOSはそれぞれペルフルオロオクタン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸の略称です(図1)。生分解性がほとんどなく、環境中に放出されると長い間残…

エノキ探索と脱力感

アカボシゴマダラが特定外来生物に指定されてから、この昆虫を飼育して観察するということができなくなりました。特定外来生物の指定の理由が、ゴマダラチョウに対して侵入・競合的というなら、それを証明するために飼育環境での詳しい生態観察も必要と思わ…

睡蓮の花

今日もゴマダラチョウの探索に出かけました。この冬に落ち葉の下に多くの越冬幼虫を確認したエノキを中心に葉上の幼虫の数や蛹の付き方を知るのが目的です。1本のエノキ(樹高10–15 m)を木登りしながら見るのに1時間以上かかりますので3本がやっとという感…

今日のエノキ探索と昆虫

今日もエノキ探索を行いました。目的はゴマダラチョウの幼虫と蛹探しです。結論から言うと残念ながらゴマダラチョウは見つかりませんでした。写真1は探索したエノキの一つで、実がなっています。 写真1 赤い実もありました(写真2)。 写真2 ゴマダラチョウ…

グリホサートは世代を超えたエピジェネティックな病態を誘発する

はじめに グリホサート N-(phosphonomethyl)glycine)は、1970年代にミズーリ州セントルイスのモンサント社によって、ラウンドアップの名前で商品化された殺草剤です。日本では除草剤と銘打って市販されています。いわゆるラウンドアップ農法は、除草剤耐性…

オカモトトゲエダシャク

この時期あちこちの公園内にはミズキ Cornus controversa の白い花が咲いています(写真1)。 そして下にはヒメジョオンやハルジョオン Erigeron philadelphicus の花が満開です。写真2はハルジョオンですが、ちょっと見ただけではヒメジョオンとの区別がむ…

やはり鳥の捕食圧が最大の脅威

エノキの木あるいは枝に保護網をかけて Hestina 属種やオオムラサキの幼虫の動態を観察し始めてまだ日が浅いですが、見事に保護網の効果が出ています。つまり、これらの幼虫にとって最大の天敵は鳥だということです。 実験しているのは数本のエノキの中低木…

ヒメジョオンとハナアブ

いつも観察しているいくつかのエノキの下には、いまヒメジョオン Erigeron annuus が咲き誇っています。キク科ムカシヨモギ属の植物で、この時期から秋口まで白い花を咲かせます。 ヒメジョオンにはハナアブの仲間がいつも訪れていて、私の目を楽しませてく…

今日のアカボシゴマダラ

大型連休も今日で終わりです。と言っても私にはまったく関係のないことですが。今日も一通りHestina 幼虫の定点観察エリアを回ってきました。 写真1は伐採されたエノキ幼木の根元で今なお越冬型4齢でいるアカボシゴマダラの幼虫です。エノキは主幹の上がまっ…

ゴマダラチョウ幼虫の食性と夜間の行動

越冬明けのゴマダラチョウの幼虫は落ち葉の下からエノキの幹に上り、エノキが芽吹くまで概ね幹上の二又の位置で待機します。時期としては幹上に上るのが4月上旬というのが一般的な見方のようですが、エノキが置かれる物理的条件に左右されるようです。 私は…

網掛けエノキのゴマダラチョウ

昨日はエノキ上にいるゴマダラチョウの幼虫などを鳥による食害から守るために木の網掛け保護対策を行いました。その甲斐あってか、今日観察に行ったら毎日のように減っていた幼虫の数が、昨日と同数に維持されていました。まだ1日しか経っていませんが、効果…

網掛けエノキ

現在、定点観察しているエノキにはゴマダラチョウやアカボシゴマダラの5齢幼虫がたくさん発生しています。一部の木にはすでに蛹がぶら下がっています。しかし前のページでも書いたように鳥による食害が著しいです。 とくに樹高3–10 mの中低木にいるゴマダラ…

オオムラサキの幼虫に対する捕食圧

オオムラサキ Sasakia charonda は年一回の発生で、越冬幼虫から羽化までの期間が同じである、エノキを食樹とするゴマダラチョウ Hestina japonica やアカボシゴマダラ Hestina assimilis に比べるとやや長いです。具体的には、後者2種が5齢で蛹化するのに対…