アカボシゴマダラの蛹については前のブログ記事でも紹介しました。あらためてここで画像を載せたいと思います。写真1の左がアカボシで右は比較として挙げるゴマダラチョウです。両者は色、形が似ていますが、アカボシは背部各節先端にあるギザギザが特徴であり、ゴマダラチョウに比べてやや大きいです。
私が定点観察で把握しているアカボシの蛹は、今日の時点でほぼ全部が抜け殻になっていました。
写真1
写真1のように蛹は葉の裏側にぶら下がっていて、しかも保護色なっているので見つけるのはそれほど簡単ではありません。しかし羽化した後の抜け殻は白く目立つので、探すのはより簡単です。そこで現在、アカボシの抜け殻を探し、その場所と位置をゴマダラチョウのそれと比較しているところです。
写真2は集めた蛹の抜け殻の一部を示します。
写真2
アカボシゴマダラの食草(食樹)はエノキですので、当然エノキの枝葉に蛹も見つかります。ほとんど例外なく、1mm以下の細い枝の二又から数mm〜1cmずれた位置の枝葉に蛹を形成します。高さは幼虫がいた場所よりは低い位置になります。
しかし、エノキに蛹を形成する個体は少数派で、多くはエノキから引っ越しして周囲の草木に蛹を作るようです。エノキの位置から半径1 m以内で見つかることが多く、周囲のツツジ、レンギョウ、ネズミモチ、スイセン、ササなど、ありとあらゆる植物から蛹が見つかります。
これまでの蛹の観察から言えることはやはりゴマダラチョウとは場所も位置も異なるということです。ゴマダラチョウの幼虫も蛹化の前にやはり引っ越ししますが、もともとがエノキの高木にいることが多いので、その木の低い位置の枝葉に蛹が見つかることが多いようです。
ゴマダラチョウはまだ羽化の個体は少ないので、羽化の時期を終えてからまた抜け殻の観察を行いたいと思っています。
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