Dr. Tairaのブログ

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アカボシゴマダラはどこで蛹になるのか

私はアカボシゴマダラについて以前から不思議に思っていることがあります。それは、1本のエノキ低木・幼木に多い時は10頭以上の幼虫が発生するにもかかわらず、春の発生においてはそれらのエノキに蛹がほとんど見当たらないことです。抜け殻があったとしても少数のエノキに1本あたり一つか二つという感じです。
 
インターネットの情報を見ると当たり前のようにエノキの枝や葉にぶら下がった蛹の写真が出てきますが、果たしてこれはアカボシの生態を正しく捉えているのでしょうか。稀に周辺のツツジや笹の枝にぶら下がるアカボシの蛹を紹介している記事がありますが、実態はどうなのでしょう。実際に私もツツジにアカボシの蛹がくっついているのを数回目撃しています。
 
この時期、多くのアカボシの5齢幼虫が成長し、蛹化に向かっています。ところが、これまで観察してきた終齢幼虫の多くが突然エノキから姿を消す事態に遭遇しています。やはりアゲハチョウなどと同様に蛹になる場所を求めて引っ越しするようです。
 
写真1は、珍しくエノキ上で蛹になろうとするアカボシの幼虫です。写真左が昨日の状態、写真右が今日の状態で、逆さまの前蛹段階に入っています。
 
イメージ 1
写真1
 
これもエノキ上で蛹化に向かう幼虫です(写真2)。
 
イメージ 2
写真2
 
しかし、アカボシの幼虫は一体どこへ引っ越しするのか、探し出すのはなかなかむずかしいですが、その範囲等について何とか突き止めたいと思います。
 
個人的に感じることは、アカボシ幼虫の蛹化へ向けた引っ越しは1化目の発生に集中して見られる特性のようで夏型ではあまり見られません。これが事実ならこの理由についても確かめたいと思っています。