7月に入り、アカボシゴマダラの今年2回目の羽化が本格的に始まりました。すべて本来のアカボシ模様の夏型ですが(写真1)、春型と比べると(特にメスは)若干小さいように思えます。
写真1
2回目の発生における羽化までのプロセスを見ると、越冬型の羽化(5月)までのそれとは違いがあります。
まず、大きな違いは終齢幼虫の形態と模様です。春型の終齢幼虫は背中に緑の筋と胴体にストライプが入った黄緑模様をしていますが(写真2左)、夏型はこの模様がない緑色で体型も若干小さいです(写真2右)。春型はエノキ幼木の新葉に合わせた保護色を伴って擬態化しているものと思われます。
写真2
アカボシゴマダラの蛹も春型と夏型を比べると後者の方が若干小さいです。幼虫・蛹の分布域も2回目の発生では狭いように感じます。これは越冬型幼虫の羽化までの過程で数がかなり減少し(生存率の減少)、それが2回目の発生に影響を及ぼすためと思われます。
カテゴリー:Hestina属チョウとオオムラサキ