Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

下げ止まりの時こそ行なうべき強化策

前のブログ記事(→ 感染五輪の様相を呈してきた)で、このまま6月20日に緊急事態宣言が解除されて東京五輪が開催されれば、デルタ型変異ウイルスによるリバウンド(感染拡大)につながる感染五輪になることを指摘しました。感染拡大を抑える効果的対策はワク…

感染五輪の様相を呈してきた

2021.06.13:22:03更新 はじめに この2、3日、SARS-CoV-2の新規陽性者数は千人台になってきましたが、全国への面的広がりは相変わらずであり、感染再拡大の不安材料になっています。私は昨日以下のようにツイートして、感染再拡大を懸念しました。 新規陽性者…

ワクチンとしてのスパイクの設計プログラムの可否

はじめに 今日(6月9日)開かれた党首討論で、菅総理は「強制的に検査を行なうことができない中でどうやってやるのだ」と枝野代表に逆質問していた一方で、「ワクチンは切り札」と述べていました。つまり、検査は積極的にできないと言い訳している一方で、ワ…

SARS-CoV-2のPCR検査陽性はリアルタイムの感染を意味しない?

はじめに COVID-19患者が、初感染から回復してから時間が経ち、ウイルスに再暴露されていないにもかかわらず、PCR検査で陽性となるというのは、このパンデミックの初期からの不可解な謎でした。この謎を解く論文が米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載され…

mRNAワクチン接種は実験的遺伝子治療?

はじめに いま世界中でCOVID-19用のワクチンが拡大しつつあり、日本でも急速に接種が進められています。この中でもmRNAワクチンが優先的に用いられており、ファイザー製とモデルナ製がその中心です。メディア報道では、パンデミック終息への切り札(game cha…

mRNAワクチンの潜在的悪影響を示唆するSeneffらの論文の意義

2021.06.03更新 はじめに 前のブログ記事で、最近出版された論文の中で気になっているものの一つとしてステファニー・セネフ(Stephanie Seneff)博士とグレグ・ナイ(Greg Nigh)博士の総説 [1] を挙げました(→新型コロナウイルスのRNAがヒトのDNAに組み込…

ヒトのゲノムに組み込まれる?

前のブログ記事で、新型コロナウイルスのRNAがヒトの細胞にDNAとして組み込まれるという現象を報告した論文(→新型コロナウイルスのRNAがヒトのDNAに組み込まれる)、およびその解説記事(→SARS-CoV-2の遺伝子がヒトDNAと組み込まれることを裏付ける新たな証…

mRNAワクチンを受けた人から抗原タンパクと抗体を検出

はじめに いま日本でも遅ればせながら、急速に新型コロナウイルス感染症COVID-19のワクチン接種が進められています。ワクチンと言っても、従来のような病原体を不活化させたものあるいはその一部を接種するというやり方ではなく、SARS-CoV-2のスパイクタンパ…

SARS-CoV-2の遺伝子がヒトDNAと組み込まれることを裏付ける新たな証拠

米国ホワイトヘッド生物医学研究所/マサチューセッツ工科大学の研究チームによって、2020年12月にバイオアーカイブ(bioRxiv)に投稿されたプレプリント論文 [1] はSNS上で大きな波紋を呼びました。なぜなら、新型コロナウイルスSARS-CoV-2に感染すると、そ…

感染者の2%がウイルス伝播の90%に関わる

はじめに 感染症はすべての感染者が二次伝播に関わるのではなく、一部の感染者によって広められることが知られています。たとえば、20%の感染者が伝播の80%に関わる、いわゆる20/80ルールというものが古くから報告されています [1]。新型コロナウイルス感染…

再びPCR検査の精度と「感度70%」論の解釈

はじめに インターネットを見ていたら、「PCR検査『感度70%は誤判定が多い』…医師に求められる対応」という記事 [1] が目に留まりました。昔の記事かと思って日付を見たら、5月19日..何と今日の配信ではありませんか! よく見たら、「本記事は、岩田健太郎…

新型コロナウイルスのRNAがヒトのDNAに組み込まれる

2020.05.22更新 はじめに 私は日頃から新型コロナウイルスSARS-CoV-2やCOVID-19に関連する論文を注視していますが、最近、二つの論文がとくに目を引きました。一つは、SARS-CoV-2のRNAがヒト細胞のDNAの中に逆転写によって組み込まれるという現象を述べた論…

全国都道府県の異常な真っ黄色状態が警告だった

はじめに 今日(5月7日)、5月11日までとされていた4都府県の緊急事態宣言が延長されると同時に、福岡と愛知が追加措置されることが発表されました。また、まん延防止措置の決定も行なわれ、結局14都道府県で緊急事態宣言の延長・追加とまん延防止措置の延長…

政府による「山梨モデル」グリーン・ゾーン認証制度の全国拡大

毎日新聞は、昨日(5月2日)、政府が新型コロナウイルス感染防止を強化するため、飲食店が講じた対策を第三者が認証する制度を導入するよう、全国の都道府県知事に通知したことを伝えました [1]。この制度では、飲食店内の座席の間隔を1メートル以上確保する…

「3密でなくても集団感染の恐れ」の今さら感

はじめに 今日、NHK WEB NEWSの「『3密』でなくても集団感染のおそれ」という記事 [1] に目が止まりました。新型コロナウイルスSARS-CoV-2は、「密閉・密集・密接」のいわゆる「3密」の場面で感染が広がりやすいとされていますが、この記事では、屋外での飲…

全国への感染拡大と政治的思惑に支配されるコロナ対策

新型コロナウイルス感染症第4波は全国に拡大し、今日(4月21日)新規陽性者数は5000人を超えました(図1)。全国自治体の新規陽性者数を示す黄色のマークは、連日埋まった状態で空白がありません。そして図1のなかで赤色で示すように、関西圏を中心に新規陽…

遅すぎたそして的外れの"感染再拡大防止の新指標"の提言

はじめに 政府の分科会は、4月8日、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の感染拡大の兆しを捉えて強い対策を早く行うための新たな指標についてまとめました [1]。分科会は去年8月に感染状況を見るための「ステージ」の指標を提言しましたが、それが十分機能しなか…

感染力を増した変異ウイルスと空気感染のリスク

はじめに 現在関西を中心に、B.1.1.7系統N501Y変異ウイルス(いわゆる英国型ウイルス)の感染拡大が顕著です。今日は大阪府で初めて1,000人を超える新規陽性者数になりました。緊急事態宣言解除が誘発した"気の緩み"が春先の人流増加を促し、感染拡大に繋が…

ワクチン後進国の日本

はじめに 昨年末から、各国において新型コロナウイルス感染症COVID-19に対するワクチン接種が始まりました。主流は米国ファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンです。そこであらためて明らかになったのが、日本のワクチン対策の遅れです。ここでその現状と問…

変異ウイルス対応のマスクのつけ方

今朝起きてTwitterを見ていたら、物理学者のE. Topol氏のツイートが目に留まりました。新型コロナウイルス感染症のような呼吸器系感染症に対するより安全で確実なマスクのつけ方について紹介しているものでした。 Some good tips in the new @ConsumerRepor…

マスク会食の是非

大阪府と兵庫県は4月5日、「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受け、対象地域の飲食店などに営業時間を午後8時までとするよう要請しました。さらに大阪府では併せて、飲食店でのマスク会食を義務づけることを発表しました。大阪府のホームページの冒…

mRNAワクチンの感染予防効果

現在、先進諸国を中心に新型コロナウイルス感染症COVID19に対するワクチン接種が急速に進行中です。ワクチンの主体は、米製薬大手ファイザー社や米バイオ企業モデルナ社のmRNAワクチンです。思えば、このブログでmRNAワクチンに言及したのが1年前ですが(→集…

下水検査の現状

今朝のテレビ朝日「モーニングショー」では、下水中の新型コロナウイルスSARS-CoV-2のPCR検出について取りあげていました。下水中に変異ウイルスが検出されたことや地域の下水処理場を調査することで集中的な検査が可能になることなどをトピックとして伝えて…

緊急事態宣言解除後の感染急拡大への懸念

今年1月に発出されていた緊急事態宣言は、2月末に大阪府・京都府・兵庫県・愛知県・岐阜県・福岡県の6府県で先行解除され、そして3月21日に全都道府県で解除されました。これと同じくして政府は緊急事態宣言解除後の対応を国民向けに示しました(図1)。しか…

関東でE484K変異ウイルスが広がる?

はじめに 新型コロナウイルスSARS-CoV-2は時間軸に対して一定の確率で変異します。この変異は、宿主(ヒト)内で増殖する際のRNAポリメラーゼによるRNAゲノムの複製エラーによって起こりますので、感染者数が多い程増殖の機会が多くなり、その変異のスピード…

マスク着用シミュレーション結果のミスリード

今年になってフィールドワークとデスクワークが忙しくなり、ブログの更新がなかなか進まない状況になっていますが、もちろん新型コロナウイルス感染症に関して気になっていることは山盛りです。そのうちの一つは、大阪など6府県で「緊急事態宣言」が解除さ…

大阪府の勘違い−緊急事態宣言解除要請

昨年の秋から始まった新型コロナウイルス感染症流行のいわゆる第3波が減衰し始めてから、1ヶ月以上が経過しました。とはいえ気になるのはこのところ下げ止まりの傾向が見えることであり、今日時点の全国の新規陽性者数は1,053人とまだ千人を超えています。…

リアル実験によるマスク着用の効果

このブログでは、COVID-19などの感染症予防対策としてのマスク着用の効果について何度か取りあげてきました(→新型コロナウイルスの感染様式とマスクの効果、あらためてマスクの効果について、コロナ禍で気になる若者の移動とマスク、いわゆるウレタンマスク…

第2波の流行をもたらした弱毒化した国内型変異ウイルス

はじめに 昨日(2月9日)、読売新聞は新型コロナウイルス感染症に関する興味深い記事を掲載しました [1]。昨年夏のいわゆる第2波の流行が、重症化しにくい変異ウイルスによる可能性があるという記事です。 記事の元ネタは、慶応大学の研究グループの研究成…

WHOが示した「事前確率が低ければ検査の偽陽性が多くなる」の意味

はじめに 世界保健機構WHOは、今年1月20日、臨床検査の専門家や技師向けに「SARS-CoV-2検出のためのPCRを用いる核酸検査技術」と題する文書をウェブ掲載しました(図1)。目的は、昨年5月に出されていたも情報の更新とさらなる明確化です(今回がバージョン2…