Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

#アカボシゴマダラ

エノキ下の越冬幼虫の探索

2019年3月↓ 横沢入での探索 小山田緑地 風で飛ばされた越冬幼虫 蝶の里公園のオオムラサキ エノキの下の生物指標としてのワカバグモ 早春のアカボシゴマダラ 秋ヶ瀬公園の越冬幼虫 小宮公園のエノキの根元 オオムラサキの減少と採集圧 2019年2月↓ ゴマダラチ…

Hestina属チョウとオオムラサキ

2019年↓ カマキリによるHestina幼虫の捕食 アカボシゴマダラ3化目の発生 2化目終盤のアカボシゴマダラ 夏に見るアカボシゴマダラの春型 体を浮かすアカボシゴマダラの幼虫 アカボシゴマダラー2回目の羽化 小型のオオムラサキ 雨の中のアカボシゴマダラ 夏型…

9月初旬のチョウ

9月に入って目にしたチョウ目の昆虫をTwitterに投稿した動画の中から紹介します。 ツマグロヒョウモン 公園のヤブガラシによく集まるのがアオスジとツマグロ。毎日のように見ます。 pic.twitter.com/iPavMckdAe — Dr.Taira-虫ac (@rplelegans) September 15…

カマキリによるHestina幼虫の捕食

今年の8月も終わりになり、エノキ上に生息する3化目の Hestina 属の幼虫も大部分が4–5齢となり、一部は蛹化、さらには羽化まで進んでいます。アカボシゴマダラの幼虫はもっぱら若木の葉上にいますが、ゴマダラチョウは大部分が高木の下枝か樹高1.5 m 以上…

オオクモヘリカメムシ

昨日の定点観察でエノキ幼木のチェックをしていたら、葉上に交尾中のオオクモヘリカメムシ Anacanthocoris striicornisを見つけました(写真1)。ヘリカメムシ科の一種です。 写真1 カメムシとしては大柄で、体長は20 mmほどになります。カメムシの中でも臭…

アカボシゴマダラ3化目の発生

昨日晴れ間を狙って、定点観察のエリアをくまなく回り、アカボシゴマダラの3化目の発生状況を調べました。その結果、多くの場所で産卵と孵化を確認することができました。写真1はエノキ低木の葉上に産み付けられた卵を示します。直径約1 mmです。 写真1 すぐ…

2化目終盤のアカボシゴマダラ

2化目のアカボシゴマダラですが、定点観察している位置での最後の終齢幼虫(写真1)が葉上を離れ姿を消しました。近くの引越し場所で蛹化の段階に入っていると思われますが、見つけることができませんでした。 写真1 あちこちでまだたくさんの蛹を検出してい…

夏に見るアカボシゴマダラの春型

7月はアカボシゴマダラの今年2回目の羽化の時期です。続々と新しい成虫を目撃しています。この時期に見られる成虫は当然夏型で、後翅に典型的なアカボシ模様を見ることができます(写真1)。ちなみにこのチョウの英語名は"red ring skirt"で、さしずめアカ…

体を浮かすアカボシゴマダラの幼虫

アカボシゴマダラやゴマダラチョウの幼虫の特徴の一つとして、エノキの葉上で体のほとんどを浮かした状態で静止する姿勢があります。写真1、2はアカボシゴマダラの夏型終齢幼虫が体を浮かしている状態を示します。 よく見ると、4対ある後ろ足の最後尾の1対…

アカボシゴマダラー2回目の羽化

7月に入り、アカボシゴマダラの今年2回目の羽化が本格的に始まりました。すべて本来のアカボシ模様の夏型ですが(写真1)、春型と比べると(特にメスは)若干小さいように思えます。 写真1 2回目の発生における羽化までのプロセスを見ると、越冬型の羽化(…

雨の中のアカボシゴマダラ

雨の日が続いていますが、今朝もちょっとエノキの定点観察にいきました。写真1は雨に濡れたアカボシゴマダラの終齢幼虫です。 写真1 あちこちに蛹も見られるようになりました(写真2)。7月は今年2回目の羽化の時期となりそうです。 写真2 カテゴリー:Hesti…

夏型アカボシゴマダラ終齢幼虫

今年2回目の発生のアカボシゴマダラですが、終齢(5齢)幼虫が大きくなってきました。写真1はエノキの幼木上の個体ですが、体長が42 mmあります。 写真1 写真2は別個体でこれも体長42 mmです。春型の終齢と比べると体にストライプがなく、全身緑色です。背…

ゴマダラチョウかアカボシゴマダラか

6月に入り、ゴマダラチョウやアカボシゴマダラは2回目の発生に至っています。発生地域に赴いても、成虫が飛ぶ姿はかなり少なくなりました。エノキの低幼木に加えて高木の下枝など、手が届く範囲の葉上を定期的に観察していますが、卵から3齢幼虫までさまざま…

アカボシゴマダラの2化幼虫

昨日はこの時期のアカボシゴマダラの産卵状況を紹介しましたので、今日は幼虫について書きます。卵を葉上にあって1 mm程度の丸い玉ですので見つけるのは割と簡単ですが、幼虫はより苦労します。なぜなら、この時期は1–3齢幼虫で体が小さく、かつエノキの葉と…

アカボシゴマダラの産卵

6月に入ってアカボシゴマダラの1化目の羽化がほぼ終わり、前後して第2化へ向けた産卵が始まりました。昨日までに撮った卵の画像の一部を載せます(写真1–5)。 写真1 写真2 写真3 写真4 写真5 定点観察を行なっている限りでは、孵化幼虫はまだ数頭しか目撃…

アカボシゴマダラの蛹-2

アカボシゴマダラの蛹については前のブログ記事でも紹介しました。あらためてここで画像を載せたいと思います。写真1の左がアカボシで右は比較として挙げるゴマダラチョウです。両者は色、形が似ていますが、アカボシは背部各節先端にあるギザギザが特徴であ…

エノキ探索と脱力感

アカボシゴマダラが特定外来生物に指定されてから、この昆虫を飼育して観察するということができなくなりました。特定外来生物の指定の理由が、ゴマダラチョウに対して侵入・競合的というなら、それを証明するために飼育環境での詳しい生態観察も必要と思わ…

やはり鳥の捕食圧が最大の脅威

エノキの木あるいは枝に保護網をかけて Hestina 属種やオオムラサキの幼虫の動態を観察し始めてまだ日が浅いですが、見事に保護網の効果が出ています。つまり、これらの幼虫にとって最大の天敵は鳥だということです。 実験しているのは数本のエノキの中低木…

今日のアカボシゴマダラ

大型連休も今日で終わりです。と言っても私にはまったく関係のないことですが。今日も一通りHestina 幼虫の定点観察エリアを回ってきました。 写真1は伐採されたエノキ幼木の根元で今なお越冬型4齢でいるアカボシゴマダラの幼虫です。エノキは主幹の上がまっ…

ゴマダラチョウ幼虫の食性と夜間の行動

越冬明けのゴマダラチョウの幼虫は落ち葉の下からエノキの幹に上り、エノキが芽吹くまで概ね幹上の二又の位置で待機します。時期としては幹上に上るのが4月上旬というのが一般的な見方のようですが、エノキが置かれる物理的条件に左右されるようです。 私は…

越冬幼虫の生残率-鳥による捕食の影響

先のページで Hestina 属越冬幼虫の生残率ついて述べました。↓ 寄生蜂によるアカボシゴマダラ幼虫の死亡率 - Dr. Tairaのブログ ゴマダラチョウではとくに寄生バチによる幼虫の死亡が生残率の低下の主原因とされていることが多いようです。 しかし越冬幼虫と…

エノキに上るHestina越冬幼虫

この数日暖かい日が続き、アカボシゴマダラやゴマダラチョウの越冬幼虫がすごい勢いで落ち葉からエノキの幹上に移動しています。オオムラサキでさえエノキの根元あたりの幹に這い出しているのを発見しました。 ところで、アカボシゴマダラは幹上でも越冬する…

早春のアカボシゴマダラ

3月に入り気温が上昇してきました。最近雨の日が多いですが、確実に春の訪れを感じます。 この時期の Hestina 属の越冬幼虫ですが、ゴマダラチョウはまだ完全にエノキの落ち葉の下です。一方、アカボシゴマダラの越冬幼虫もエノキの落ち葉にいますが、もっぱ…

秋ヶ瀬公園の越冬幼虫

今日は秋ヶ瀬公園に行ってきました。埼玉県さいたま市の荒川沿いにある県営の都市公園で、広さは開設されている部分だけでも100 haあります。広大です。エノキの高木がたくさんある公園として知られています。 JR武蔵野線の西浦和駅を降り、県道40号線を南西…

ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの共存-4

私は今住む街に2年前(2017年)に引っ越してきて、この街では昨年アカボシゴマダラ Hestina assimilis を初めて目撃しました。それまでは、仕事のついでに東京都区内や神奈川県内の公園を訪れた時にチラホラ見る程度でした。そして、ゴマダラチョウ Hestina …

オオムラサキの生息域での越冬幼虫調査

前のページで、オオムラサキ Sasakia charonda の生息域におけるアカボシゴマダラ Hestina assimilis の侵入度について書きました。↓ オオムラサキの生息域でのアカボシゴマダラ これまでの調査結果は、オオムラサキの越冬幼虫が見られるエノキの根元にはア…

落ち葉とアカボシゴマダラの越冬幼虫

アカボシゴマダラの越冬幼虫はゴマダラチョウと同様に落ち葉の下で冬を越します。インターネット上の情報ではエノキの幹上で越冬することもあるとされていますが、私が知る限り幹上での越冬はきわめて少ないです。 今年の冬、これまで東京、千葉、埼玉でモニ…

野川公園の虫

野川公園は三鷹市、小金井市、調布市にまたがる都立の都市公園です。この公園はもともと国際基督教大学(ICU)の敷地内(ゴルフ場)だったところを公園化したものと聞いています。公園の北東部は今でもICUの敷地が広がります。 公園は野川と東八道路を挟んで…

幹上のアカボシゴマダラの越冬幼虫

今日はオオムラサキの越冬幼虫の探索に行きました。とは言っても訪れたところはすでに絶滅したとされている地域であり、数年前ボロボロの翅になったオオムラサキの成虫を目撃したことだけをよりどころにした探索です。 探索地域はいわゆる里山の環境であり、…

ゴマダラチョウ越冬幼虫の個性

先日、学生から「エノキの大木の根元からアカボシゴマダラの越冬幼虫を見つけた」と連絡が来ました。おお、それは貴重な情報だと思い、画像を送ってもらいました。しかしそれらをよく見たら、確かにアカボシによく似ていますがすべてゴマダラチョウでした。 …