Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

#アカボシゴマダラ

今日のゴマダラチョウ幼虫

一昨日、エノキ幼木の幹上にアカボシゴマダラの越冬幼虫をいることをこのブログで紹介しましたが、昨日も幹上にアカボシの幼虫を見つけました(写真1)。その現場から立ち去る時に、すぐ近くにエノキの成木があるのを確認しました。その時は時間がなくてじっ…

今日のゴマダラチョウとアカボシゴマダラ

今日は国道沿いの里山に近い環境に生えているエノキと根元の Hesina 越冬幼虫の調査を行いました。大木は少なく、大きくても樹高10 mちょっとでした。多くは幼木と低木です。一般の車道や田んぼのあぜ道、車が通れない林道をチャリを漕ぎながら、延々と全6時…

砧公園のエノキと昆虫

砧公園は東京都世田谷区にある広い公園で、40ヘクタール近い面積を誇ります。エノキの大木がたくさんある公園として知られています。写真1に、園内のエノキ群を示します。 写真1 園内でどれほどエノキが幅を利かしているかと言えば、「えのきのトイレ」とい…

Hestina属幼虫の棲み分け

日本に生息する Heitina 属のチョウは、在来種のゴマダラチョウと外来種のアカボシゴマダラの2種です。このブログでも何度も取り上げてきたように、後者は特定外来生物とされており、食草であるエノキをめぐって前者と競合する可能性が指摘されています。 し…

ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの共存-3

前のブログ記事で、エノキの大木の根元にはゴマダラチョウの越冬幼虫が選択的に存在し、外来種アカボシゴマダラの幼虫はほとんど見つからないことを書きました。これまで樹高10 m以上のエノキの成木を数百本見てきましたが、出てくる幼虫は基本的にゴマダラ…

特定外来生物としてのアカボシゴマダラを考える

このブログでも何度となく取り上げてきましたが、あらためてアカボシゴマダラ Hestina assimilis (図1)の特定外来生物としての妥当性を考えたいと思います。 本種は1990年代から関東において突如姿を現し、その後分布域を広げてきました。関東産は在来の奄…

落葉の下の3齢幼虫

今日は予定していた行事がキャンセルになったので、小雨の中でしたが朝からアカボシゴマダラの定点観察に出かけました。目的地は、樹高2 m以下のエノキの幼木がたくさん見られる公園および林に隣接する農道です。 すでに多くの幼虫が幹上から地面に降りてい…

ゴマダラチョウの受難

カテゴリー:エノキ下の越冬幼虫の探索 今日は昨日に引き続きフィールド調査に行ってきました。アカボシゴマダラとゴマダラチョウの越冬型幼虫の分布調査です。 前のページでも述べましたが、これまでの調査データに基づけば両種の幼虫は棲み分けをしている…

アカボシゴマダラの蛹

今日は東京都23区内の昆虫定点観察の公園をハシゴしながら観て回りました。まずは、5月にアカボシゴマダラ春型成虫の乱舞を目撃した公園の雑木林に行ってみました(写真1)。 写真1 ところどころ紅葉がきれいでした(写真2)。 写真2 今日は12月とは思えない…

ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの共存-2

以前のページでゴマダラチョウとアカボシゴマダラの越冬型幼虫がいっしょにいる場面を紹介しました。↓ ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの共存-1 同一属(genus Hestina)の両者がどの程度の頻度で共存しているのか、興味をもって探索を続けています。最大…

コムラサキ亜科チョウの越冬幼虫の見分け方

オオムラサキ、ゴマダラチョウ、アカボシゴマダラは、いずれも幼虫がエノキを食樹とするタテハチョウ科コムラサキ亜科のチョウです。成虫はそれぞれ特徴的な大きさや翅の模様があり、同定は容易です(図1)。 図1. オオムラサキ、ゴマダラチョウ、およびアカ…

ゴマダラチョウとアカボシゴマダラの共存-1

11月に入って、朝早くからエノキの落ち葉の下の幼虫の観察を行っています。単独の落ち葉だけではなく、小枝ごと落ちているものもたくさんあります。大小二つのピンセットや菜箸を使い分けながら一つ一つ観ていくのですが、けっこう時間がかかります。 しかし…

ゴマダラチョウの減少

ゴマダラチョウ Hestina japonica は、タテハチョウ科に分類されるチョウの1種です。日本を含む東アジアに分布するチョウであり、国内でも北海道の南部から九州までほぼ全域に生息しています。幼虫の食草はエノキの葉です。 ゴマダラチョウは、私が小学生の…

アカボシゴマダラの目撃

柏市郊外を歩いていたら、二カ所でアカボシゴマダラを目撃しました。一カ所は高いエノキの木の上を悠然と飛んでいてとてもカメラに収められませんでした。類縁種のゴマダラチョウよりもゆったりとユラユラしながら飛ぶ感じですが、飛び方は似ています。 もう…

保護したアカボシゴマダラ

アカボシゴマダラを保護してから1週間が経ちました。日に日に翅がちぎれ、片翅がほとんどない状態になっていますが、まだ元気で死ぬまでもう少し時間がかかりそうです(図1)。 口吻を観察するために、5%甜菜糖(てんさいとう)溶液を、キッチンペーパーに浸…