今日は強行軍でしたが、千葉と東京の都市公園をハシゴしてアカボシゴマダラの幼虫の動態調査を行いました。調査したすべての公園でエノキの葉上から幼虫は完全に姿を消し、幹上の個体も半分以上は地面に移動していました。
12月4日、本ブログでアカボシゴマダラの生のサナギを発見したことを報告しましたが↓、この地点も訪れて観察しました。
写真1
図1. 木場公園の地図と12月4日にアカボシゴマダラのサナギを発見した場所(赤丸の地点)
ところが今日同地点を訪れて驚きました。何とエノキの幼木にぶら下がっていたサナギが枝ごと持ち去られた形跡があったのです。枝が折られてなくなっていました。図2に12月4日と本日のエノキの状態を比較して示します。
図2. アカボシゴマダラのサナギがついていた12月4日のエノキ(左)と今日の同エノキ(赤丸の部分で折られてなくなっている)
折られたエノキの拡大画像を写真2として示します。乱暴な折られ方です。なお、折られたエノキの枝部分にはサナギ(0.9 cmの高さ)とともに越冬型幼虫が幹上(0.7 mのに高さ)に存在していました。もちろんこの幼虫も姿を消しました。公園管理者であれば枝を折ることはせず、剪定刃で切断することでしょう。
写真2
このエノキの幼木は園内の散策路からは2 mほど入ったところにあって、通行人が当たって偶然折れたとは考えにくいです。枝を捜してみましたが、それらしいものは発見できませんでした。
また誰かがイタズラで折ったとも考えられません。なぜなら、上記のように通路から中に入ったところにあるのでわざわざこの枝だけにイタズラするとは思われません。枝はいかにも狙ったように折れていました。公園内のそのほかのエノキ低幼木をくまなくチェックしてみましたが、折れたものはこれだけでした。
よく知られているように、アカボシゴマダラは特定外来生物の指定を受けており、特定外来生物法の下で許可なく採集、移動、飼育することは禁止されています。もし、誰かが持ち去ったものであるとするなら法令違反です。