多くの家庭では生ゴミをポリ袋などに入れ、縛って密閉し、ゴミ箱の中に入れて、排出まで保管というのが一般的ではないでしょうか。そうすると、とくに夏場は一晩もすると臭ってくるというのはよく経験することです。ポリ袋には目に見えない小さな穴があり、水分は出しませんが臭い物質は出てきます。
生ゴミが臭うのはもちろん微生物の増殖によるものです。水分があると微生物はよく増殖しますので、それだけ臭いもきつくなります(図1上)。さらに密閉することで、酸素呼吸よりも発酵(=腐敗)が進行して、臭い物質がでやすくなります(図1下)。
実際に臭い軽減のために生ゴミをどのように扱うかというと、番組で紹介していたのは新聞紙で包むことと、ゴミ箱を密閉しないことです(図2)。新聞紙は空気を通し、水分を吸い取る性質があるので、生ゴミを保存しておくための包装としてはピッタリです。
しかし、よくよく考えてみると、なんのことはない、これはちょっと前まで日本人がよくやっていた生ゴミの保管の方法であり、忘れ去られたことをまた持ち出して紹介しているということです。冷蔵庫がなかった時代は、なるべく生ゴミは出さないようにしていましたし、出たものはちゃんと新聞紙で包んで保管していました。
しかし、現在は新聞を購読している世帯は30%ほどしかありません。新聞紙がない家庭はどうすればいいのでしょうか? 現に、ゲストのタレントは「ウチは新聞をとっていないので...」と言っていましたが。
次にプラスチックゴミの出し方です。一般にあまり理解されていないかもしれませんが、プラスチック容器は、容器包装リサイクル法(容リ法)によって、分別回収・リサイクルすることが義務づけられており、これには消費者の義務も伴います(
注意しなければならないことは、容器包装プラスチックとその他のプラスチックは分けて出さないといけないということです。図3左上にあるプラのマークがついているものは、リサイクルのために分別収集する必要のあるものです。
ペットボトルの捨て方ですが、少々面倒でも中をすすぎ、ラベルを剥がし、ぺちゃんこにして出す必要があります(図3下)。
慣れてしまえば、プラスチックゴミの分別も面倒ではないですが、その前にプラスチックの容器を大幅に減らした方がいいような気がします。昔は食品はすべて量り売りでしたし、ヨーロッパの国々のスーパーに行けば、日本がいかに過剰包装かということにも気づかされます。
現在、日本はプラスチックゴミの排出量で世界第3位という不名誉な順位になっています。
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