Dr. Tairaのブログ

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スーパーマーケットでのプラスチックごみ


私は仕事がら、そして買い物のためにスーパーマーケットをよく訪れます。生鮮食品を視たり、加工食品の表示や食品の値段をチェックしたりしながら買い物をしています。お客さんたちの動きもいやが応にも目に入ってきます。

最近気になっていることの一つとして、廃プラスチック用のゴミ容器の設置があります。もちろんスーパーはほ全部と言っていいくらい、リサイクル用の回収箱を用意していて、ポリスチレン系、ペット系などの廃プラスチックが分別投入できるようになっています。これは後述するように法律上の義務があるからです。

消費者のメリットとしては、廃プラスチックのリサイクルに参加しているという環境保全の意識を感じられることや、ペット系廃棄物などは回収マシンに入れるとポイントがもらえるということもあります。

上述した気になっていることとは、リサイクル容器とは別にゴミ用の容器が設置してあり、それにプラスチックゴミを捨てているお客さんが少なからずいることです。今日訪れたスーパーでも「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ(プラスチック用)」のゴミ箱が用意してありました(写真1)。

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写真1

買い物を終えてイートインコーナーでお茶を飲んでいる間に眺めていたら、お客さんの中で買った肉をプラスチックトレーから出し、備え付けのポリエチレン袋に移し換えている人が数名いました。そして、取り出し終えたプラスチックトレーを次々とゴミ箱に捨てていきました(写真2)。

他の店でもそうなのですが、よく観ていると食品の移し換えは比較的若い人が多いように思います。

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写真2

プラスチック容器は、容器包装リサイクル法(容リ法)によって、分別回収・リサイクルすることが義務づけられています [1、2]。すなわち、自治体や事業者の義務のみならず、消費者が分別・排出に加わり、3者が一体となって容器包装廃棄物の削減に取り組むことが義務づけられています。 

上記のように、スーパーの店内で食品を移し換えて、不要になったプラスチック容器を捨てていくようことは法律上は好ましくないわけです。おそらく、家に持ち帰ってプラスチックゴミが増えることへの回避行動であったり、分別持ち込みすることの面倒臭さから来る行動かと思いますが、消費者の義務を果たしてほしいものです。

店内での生鮮食品の移し換えは、衛生学上も好ましくありません。せっかくパック詰めしてある肉類をトレーから取り出し、新しい袋に移し換えることは、微生物汚染の危険性を伴います。もし肉に食中毒菌が付着していた場合には、移し換えることで自分の手や周囲の食品にそれを撒き散らしてしまう可能性があります。

スーパーとしては、店内にゴミ箱を設置することは消費者への対策として致し方ないことなのでしょうが、消費者共々法律の主旨をよく理解しながらの対応をお願いしたいものです。

もとより、日本はプラスチックゴミに関しては、すっかり環境後進国になり下がっている現状↓も思い起こしてほしいと思います。

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