2ヶ月前、TBSテレビがニュースで海洋のプラスチック(とくにマイクロプラスチック)汚染問題を取り上げたことをこのブログで紹介しました。
プラスチック汚染問題-3
プラスチック汚染問題-2
プラスチック汚染問題-1
今日はNHK NW9でもマイクロプラスチック汚染の問題を取り上げていました。それだけこの問題が、世界的に深刻化していることの現れです。マイクロプラスチックとは、私たちが使っているプラスチック製品の廃物が環境中に拡散し、紫外線や物理的衝撃の影響で微粒子化したものです。
ニュースでは、まず、フランスの科学探査船タラ号と事務局長の弁を紹介していました(図1)。本船は、2003年から地球温暖化が海洋に与える影響を調査しており、太平洋のマイクロプラスチック調査に向かう前に日本に寄港したということです。
図1. フランス科学探査船タラ号(上)と事務局長(下)(2018.5.24 NHK NW9より)
すでにこのブログでも紹介してきたように、マイクロプラスチック汚染は世界規模で進行しており、とくに日本近海は他の地域に比べて27倍の汚染量と言われています(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16219530.html)。
ニュースでは、マイクロプラスチック汚染研究の第一人者である東京農工大学の高田秀重教授による状況説明と提言がありました。日本近海での汚染量が高いことは、日本やアジアでの使用量が多いためと考えられます(図2)。
図2. 高田教授による日本近海におけるマイクロプラスチック汚染の状況説明(2018.5.24 NHK NW9より)
高田教授によれば、魚体内のプラスチック汚染が進行しており、近海から獲ってきたイワシ64匹中49匹にマイクロプラスチックが見つかったとのことです(図3)。
図3. 高田教授による魚のマイクロプラスチック汚染の状況説明(2018.5.24 NHK NW9より)
プラスチックで汚染された魚を私たちが食べても便で排泄されるので、今のところ健康上大丈夫だと思われます。しかし、今後汚染量が増えた場合の影響についてはまったくわかっていません。
石油系プラスチックの使用については、世界的に禁止や制限する動きが加速化しています。一方で、日本の対策は遅れています。高田教授の提言として、便利さと経済効率のライフスタイルから脱却していく必要があるというのがありました。