近年における熱帯系・亜熱帯系の昆虫の北上化はよく知られた事実です。気候変動と地球温暖化との関連が指摘されています。いまだに地球温暖化はウソだという人もいますが、年を追っての南方系昆虫の北上化を見ると、地球温暖化を確信せざるを得ません。昆虫は環境の変化に正直に応答し、そこには人間社会のようなウソがないからです。
東京大学総合研究博物館には、昆虫を含めた貴重な資料が常時展示されていて、ここにも昆虫の北上化に関するコーナーがあります。無料で一般公開されています(写真1)。
写真1
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クロメンガタスズメについては以前のページでも紹介していますが(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16324961.html)、中部地方から関東にかけて広く見られるようになりました。クマゼミについては、昨年初めて東京で鳴き声を聴き、驚きました。
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私も、クロマダラソテツシジミ以外は、関東で普通に目撃しています↓。
ツマグロヒョウモンの目撃頻度
ユズの上にいたムラサキツバメ
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昆虫の北上化は植生に食物連鎖に影響を与え、生態系をかく乱する可能性があります。また、私たちに直接実害があるものとして、感染症を媒介する蚊などの北上・拡大化があります(図1)。とくに、テング熱や、まだ発生例はありませんがマラリアの発生と拡大の可能性については、注視していく必要があります。
図1. 感染症媒介生物の北上化