Dr. Tairaのブログ

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生ゴミ処理の容器について


基本マニュアルと原理
                                        
 
簡易処理器(木箱、段ボール箱、コンテナー、ポリバケツ、植木鉢など)を使って生ゴミ処理を行なう方法についてよく訊かれるのが、どのような容器が適しているか、大きさはどのくらいがよいかということです。そこで、処理容器にあらためて解説したいと思います。

容器を選ぶ前提となるのが、毎日の生ゴミ量、経済性、作業性、利便性などです。すでに家庭に廃品としての容器がある場合にはそれを活用すればよいですが、多くはすぐに使えるような容器がないことが想定されます。その場合は、安く簡単に手に入るということがベストです。

重要ポイント
●処理容器の選択基準:毎日の生ゴミ量、経済性、作業性、利便性

市販のもので簡単に手に入るとしたら、プラスチック製の植木鉢やコンテナーです(図1)。大きさとしては、最低1人分の生ゴミ量(0.2 kg/日)に対応できる20 L程度を選ぶ必要があります。この容量に相当するのは12号植木鉢です。したがって、この大きさ以上のものを選ぶということになります。

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次に経済性です。当然ながら容量が大きいものほど、フタ付きのものほど高価になります。ポリプロピレン性12号植木鉢の場合、1基700-1000円程度で売られていると思いますが、プラスチック製コンテナーの場合は数千円になります。

一方、耐久性と保温性にはやや劣りますが、より安価な植木鉢も100円ショップで手に入れることができます。12号鉢で300円、14号鉢で400円程度で売られているようです(図2)。これであれば、12号鉢3基でも1000円もかかりません。

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次に作業性を考えます。庭など広い場所があり処理器を備え付けにしておくという場合は大型の容器でよいですが、狭いベランダしかない、1人で持ち運ぶなどの条件で制約される場合は、12号植木鉢(14-22 L)程度の大きさがよく、最大でも14号鉢(30 L)まででしょう。これらの容器の7割程度に基材を入れ、さらに生ゴミを入れていきますので、12号鉢で10 kg程度、14号鉢で20 kg近い程度の重さになります。

重要ポイント
●1人で作業し、持ち運べる大きさは30 L(14号鉢相当)まで

最後に、図3生ゴミ量に応じた、容器の大きさと数をまとめます。たとえば2人家族であれば、12号2基か、14号鉢1基、4人家族であれば12号3基か、14号鉢2基という選択になります。もちろん、この容量に相当するコンテナーなどの他の容器をもちいてもかまいません。ただ直方体のコンテナーの場合は密閉容器ですので、下部に水分が残りやすく、四隅にデッドスペースもできやすいので、まめに撹拌する必要があります。

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結論として、手に入りやすさ、二次処理への活用、虫除けのステンレス篩(市販)を被せられるなどの点、さらには生ゴミ処理を止める場合の転用の仕方などを考えると12号植木鉢が最も適していると考えられます。
 
とはいえ、ここに示したのは基本です。使える面積、家族構成、生ゴミ量、かけられるコストなどそれぞれで事情が違いますので、それらに応じて生ゴミ処理器構成を考えていただきたいと思います。