Dr. Tairaのブログ

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スクラロース入りヨーグルト

今日のランチのデザートでアロエヨーグルトを久しぶりに食べました。いつものクセで食品表示を見たら、スクラロースが入っていました(図1)。スクラロースは別ページでも紹介しましたが、代替甘味料(人工甘味料)の一つです。「おおー、これにも入っていたか」という感じです。
 

容器の表示をよく見たら砂糖もしっかり入れてあり、これに比べるとスクラロースの添加量はかなり少ないと思われます(表示は添加量の順番で記す決まりです)。しかし、何せ砂糖の600倍もの甘みを持ちますので、実際食べた時の甘味への貢献度は大ではないでしょうか。

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図1. ヨーグルトの表示にある添加物としてのスクラロース
 
スクラロースアセスルファムKとともに今最もよく使われている代替甘味料です。ダイエットコーラに使われていることはよく知られており、スーパーで売られているさまざまな清涼飲料水にも添加されているのを見かけたりします。化学構造上はショ糖の一部を塩素に換えただけですが、この塩素置換で生分解性がなくなります。つまり食べて甘みを感じても、消化されず、体内に蓄積もされず、糞として排出されるだけです。このような性質ですから健康への害は考えにくいというところです。
 
しかし、体の中で分解されない甘いものを食べているという感覚は、少なくとも個人的には気持ちのいいものではありません。甘さを感じながらも、血糖値に反映されないということが起こっているわけで、脳と体の関係のバランスが崩れ、全体的なエネルギー代謝への影響があるかもしれない、と考えたくなります。また、水溶性ながら分解されないものが環境中に排出されているということも首を傾げたくなる感じです。
 
おそらく多くの人は食べ物にスクラロースが入っていることも、またこの代替甘味料自身のことさえも知らないのではないでしょうか。別にスクラロースなどの代替甘味料を入れなくても砂糖や天然の甘みだけでいいではないかと思うのですが、経済性を優先する資本主義の下では仕方のないことかもしれません。
 
スクラロースを分解する微生物はまだ報告されていません。スクラロース下水処理場からも検出されていますが、今どんどん環境中に蓄積されているのではないかと推定されます。分解されないことが何を意味するのか、その先に何があるのか、今は誰も答えられません。