Dr. Tairaのブログ

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梅干し作り-1

梅干しは日本の食文化を代表する伝統食品の一つです。
 
昔は梅干しと言えば「酸っぱい」というイメージがありましたが、最近の市販梅干しは甘みが強くなっています。甘味料が添加されているからです。水飴などに加えてステビアスクラロースといった代替甘味料も使われています。加えてうま味調味料が添加されている場合も多いようです。時代の好みでしょうか。

私は昔ながらの酸っぱい梅干しが好きなので、自分で梅干しを作るのが習慣になっています。今年は、今まで使っていた専用の冷蔵庫がなくなったのでどうしようか迷っていましたが、例年より少なめに作ることで対応することにしました。
 
私が作っている梅干しは減塩・無添加梅干し食塩濃度が8%(80 g/kg)です。これだとカビが生えやすいので冷蔵下(15℃以下)で保存する必要があり、冷蔵庫が必要になります。市販の梅干しの食塩濃度は10–20%濃度であり、減塩かつ無添加というものは見たことがありません。

冷蔵庫に入る量ということで、今年は少ないですが1 kgの梅で作ることにしました(写真1)。和歌山産の南高梅です。とてもいい香りがします。
 
イメージ 1
写真1
 
あと材料は食塩写真2)とホワイトリカー写真3)です。
 
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写真2
 
ホワイトリカー蒸留酒)は35%のものを選びます(写真3)。できる限りアルコール濃度が高いものを選択することで微生物による変敗を防止します。専用のものがスーパーなどで売っています。
 
イメージ 3
写真3
 
梅を水道水で洗い、水気を取った後に、へそ取りを行います。梅のへそにあるヘタを梅を傷つけないように、くしで一個一個取っていきます(写真4)。これを取っておかないとカビが生えやすくなります。梅の数が多いと結構面倒です。
 
イメージ 4
写真4
 
梅をジップロックに入れ、食塩を秤量して入れます(写真5)。梅が全体で1.1 kgだったので、約88 gにしました。
 
イメージ 5
写真5
 
続けてリカーを測ります。約57 gを入れました(写真6)。
 
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写真6
 
ジップロックに入れた梅、塩、リカーを上から見たところです(写真7)。
 
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写真7
 
ひっくり返しながら全体をよく混合し、プラスチックコンテナーに入れて寝かせます(写真8)。梅酢が出てくるまで室温で放置です。
 
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写真8
以上で仕込みは終了です。ここまでの工程の所要時間は、約30分でした。料理や食べ物作りの工程は理科の実験に似ていますね。