Dr. Tairaのブログ

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ナットウキナーゼが効く?

普段夕食後はニュースの時間まであまりテレビを真剣に見ないのですが、今日はたまたまTBSの「この差って何★」という番組を見ていて、アレッ?と思ってしまいました。
 
番組中で、納豆をテーマに白澤先生という人がアレコレ食べ方等を解説していたのですが、その中に「納豆に含まれるナットウキナーゼという酵素血液をサラサラにする」という話があったわけです(写真)。本当か?と一瞬思ってしまいました。
 
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確かに、ナットウキナーゼそのものには血液凝固を防ぐ働きがありますが、それはあくまでも試験管内での話です。実際に体内で血液に作用するためには、血管内にこの酵素が入らなくてはいけません。しかしこれには問題があります。
 
酵素はタンパク質からできており、とても大きい分子なのでそのままでは血管の壁を通過できません。そのなかに入るには一個一個のアミノ酸にまで分解されるか、あるいはアミノ酸が数個繋がったオリゴペプチドと呼ばれる低分子にまで分解される必要があります。
 
ところが、酵素がそのように低分子化されてしまうと、もはや酵素としての働きは失われてしまいます。つまり、ナットウキナーゼが「血管に入る」ということと「活性を保つ」ということは二律相反なのです。
 
実際には、ナットウキナーゼが口に入ると胃や小腸などの消化管内で消化を受けますので、すぐに分解され、失活してしまうことが予想されます。
 
今回のテレビ番組に限らずナットウキナーゼの血液サラサラ効果がメディア上で盛んに謳われているようですが、果たして吸収されて働いているという根拠はあるのでしょうか? 関連論文を検索してみたいと思います。