Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

2022-01-01から1年間の記事一覧

抗イディオタイプ抗体が悪さをする?

SARS-CoV-2感染症(COVID-19) のパンデミックが始まって以来、3年目になりましたが、依然としてその病態の理解はまだ不完全です。それはこの病気において、なぜ複数の臓器に影響が及ぶのか、ウイルス消失後においてもなぜ長期にわたって"Long COVID"症候群(…

遺伝子ワクチンを取り込んだ細胞は免疫系の攻撃標的になる

はじめに これまでのブログ記事で、私は、現行の遺伝子ワクチン(mRNAワクチン、アデノウイルスベクターワクチン)が失敗ではないかということを述べてきました(→ワクチンとしてのスパイクの設計プログラムの可否、核酸ワクチンへの疑問ーマローン博士の主…

ロシアの科学は鎖国化と衰退へ向かう

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、様々な民間会社がロシアでの営業を停止していますが、科学界でも制裁の動きが出ています。今月12日には、米国に本社をおく文献情報サービス会社クラリベイト・アナリティクス(Clarivate Analytics)社が、ロシアでの営業停…

短期間での重篤化・致死はオミクロンの特徴?–その2

はじめに 一昨日(3月15日)のブログで、オミクロン変異体による第6波流行においては、発症から短期間での重篤化や死亡が特徴であることを述べました。しかし、これはオミクロンの病態の特徴というよりも、mRNAワクチン接種の悪影響ではないかという個人的…

予測不能な病毒性をもつSARS-CoV-2の出現

はじめに ウイルスのゲノム(DNAまたはRNA)の変異はランダム変異であり、時間軸に対して一定の確率で起こっています。その変異は彼ら自身にとって良くも悪くもなく中立的ですが、そのなかで環境(宿主)に適応したものだけが生き残っていきます(自然選択説…

短期間での重篤化・致死はオミクロンの特徴?

オミクロン変異体による第6波流行において、いくつかの病態の特徴が示されています。その一つが、患者が肺炎を起こさず、短期間で重篤化し死亡する事例が多いことです。テレビで、ある医療専門家が、「あっという間に亡くなる」とコメントしていたことが耳に…

スピルオーバー:ヒトー野生動物間の新型コロナ感染

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年〜) カテゴリー:ウイルスの話 はじめに 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源については、コウモリやセンザンコウに類縁のウイルスが知られているものの [1](→SARS-CoV-2類似のコウモリウイルス発見の意義)、依…

ワクチン完全接種者は未接種者よりもコロナ死亡率が高い?

はじめに いま、テレビをはじめ主要メディアは、ロシアによるウクライナ侵略の報道で一色です。また、COVID-19の流行状況についても、日本のテレビはほぼ毎日報道していますが、新規陽性者数や重症者数、病床の状況などのリアルタイムでの流行状況が主体であ…

モロトフ・カクテル

ロシアのウクライナ全面侵攻(full-scale invasion)から4日経ちましたが、私はニュース源としてもっぱらBBCやCNNなどの海外メディアの報道やSNS発信(Kyiv Independentなど)に頼っています。2月27日には、New York Timesが、ベルリンでのデモの様子をツイ…

やはりワクチンmRNAは宿主細胞中でDNAに変換される

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年〜) 2022.03.09更新 はじめに もう2年近く前になりますが、私はCOVID-19ワクチンに対する期待と懸念を寄せるブログ記事を書きました(→集団免疫とワクチンーCOVID-19抑制へ向けての潮流)。期待はもちろんゲームチェン…

統計崩壊で起こった第6波流行ピークのバイアス

2022.02.25.11:45更新 はじめに COVID-19患者やSARS-CoV-2感染者は、一般にPCR検査の陽性反応をもって確定されます。加えて、しばしば抗原検査でも判定されています。そして日々の新規陽性者数が公表されることで、私たちはおおまかな流行状態を知ることがで…

韓国の新型コロナ流行に学ぶ日本の感染対策の弱点

はじめに 昨日、今日とテレビのニュースや情報番組は、海外のCOVID-19感染流行状況や出口戦略を紹介していました。しかし、いささか伝え方に偏向や誤解を招く表現があり、いまの日本のテレビ媒体の劣化を感じています(→日本メディアのコロナ報道にみるバイ…

ワクチンmRNAと抗原タンパクは2ヶ月間体内で持続する

はじめにーTVでのワクチン副作用特集 今朝(2月21日)のNHK「あさイチ」では、COVID-19ワクチンの副作用(副反応)を特集していました。mRNAワクチン接種後の心筋炎、心膜炎が話題として出てきました。しかし、もうこれはれっきとした病気なので、これを副反…

日本はG7諸国の中で最も感染対策が緩い

2022.02.18更新 はじめに 岸田総理大臣は、今日(2月17日)記者会見し、水際対策を3月から緩和すると発表しました [1]。オミクロン変異体の感染拡大のペースが落ち着き始めており、第6波の出口に向かって徐々に歩み始めるとも述べました。見かけ上、1月終わ…

SARS-CoV-2類似のコウモリウイルス発見の意義

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年〜) カテゴリー:ウイルスの話 はじめに 今月、ネイチャー誌の電子版(最終編集前暫定版)に、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に類縁する新規ウイルスの論文が掲載されました [1]。これまでで最もSARS-CoV-2に近く、…

国が主導する検査抑制策

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年〜) はじめに COVID-19パンデミックのいま、にわかに注目を浴びたのがPCR検査を含むSARS-CoV-2ウイルスの検査です。PCRという言葉は、それがどのような技法ということはともかくとして、完全に市民権を得ました。 SARS…

日本メディアのコロナ報道にみるバイアス

はじめに 先日(2月11日)、NHKのNews Watch 9を観ていたら、デンマークのコロナ規制解除に関するニュースが出てきました。私はこれを観ていて、「ああ。また誤ったメッセージになりかねない」と率直に思いました。なぜそう思ったかと言えば、デンマークと日…

第6波で日当り死亡者数過去最多を記録

昨年12月、オミクロン変異体はこれまでのSARS-CoV-2とパンデミックの常識を変える変異ウイルスであることを指摘しました(→オミクロン変異体が意味するもの)。そして迎えた新年早々、12月初頭から第6波流行が始まっていることを指摘し、このオミクロン流行…

ピークアウト後は富士山型?

新型コロナウイルス感染症の第6波流行は、昨日(2月8日)新規死亡者数159名を記録しました。過去最多数としては昨年5月18日に216人を記録していますが、これは当該日より以前の未報告分が加算された数字であり、実質今回が最多数だと思われます。実際、昨年…

科学者はより伝播性の強いオミクロンの出現に驚きを隠せない

最近、サイエンス誌にオミクロン変異体BA.2の記事が掲載されました。「より感染力の強いオミクロンの突然の出現は科学者たちに驚きを与えている」(Sudden rise of more transmissible form of Omicron catches scientists by surprise)という題目の記事で…

オミクロンは軽症なのになぜ病院をひっ迫させるのか?

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 私は、前回のブログ記事(→「オミクロンは重症化率が低い」に隠れた被害の実態)で、オミクロン型流行では、病気自体の重症度よりも感染者の絶対数の増大と死亡者数の増加が問題ということを指摘しました。…

エンデミック(風土病)の誤解

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2022/01/31/103338

「オミクロンは重症化率が低い」に隠れた被害の実態

この記事は以下のURLに移動しました。 https://drtaira.hatenablog.com/entry/2022/01/30/103755

ステルスオミクロン

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) カテゴリー:ウイルスの話 はじめに 最近、ステルスオミクロン(Stealth Omicron)という言葉が出てきました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン変異体(Omicron variant)に類縁の変異ウイルスを表す言…

新型コロナワクチンや治療薬について生データ公開が必要

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) はじめに 各国政府や医療系専門家はCOVID-19ワクチンの接種を推奨していますが、いま日本で使われているファイザー社やモデルナ社のmRNAワクチンについては、実は詳細なデータが公開されていません。特に、健康人に…

風邪で活性化したT細胞の新型コロナに対する交差反応性免疫応答

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年) 英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究グループは、風邪で活性化した既存のメモリーT細胞が、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を防御する交差反応性免疫応答を示すという研究結果を発表しました。下図…

2022年を迎えて−パンデミック考

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