Dr. Tairaのブログ

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第6波で日当り死亡者数過去最多を記録

昨年12月、オミクロン変異体はこれまでのSARS-CoV-2パンデミックの常識を変える変異ウイルスであることを指摘しました(→オミクロン変異体が意味するもの)。そして迎えた新年早々、12月初頭から第6波流行が始まっていることを指摘し、このオミクロン流行がパンデミックの中で最大の被害になることを予測しました(→2022年を迎えて−パンデミック考)。

それは、オミクロンの免疫逃避の性質と伝播力の強さが、感染者の絶対数の爆発的増加を引き起こし、その分、相対的な被害を拡大させると容易に考えられたからです。

世界から伝えられる日々の感染者数と死亡者数は、その予測どおりのものでした(→オミクロンは重症化率が低い」に隠れた被害の実態オミクロンは軽症なのになぜ病院をひっ迫させるのか?)。

そして2月9日、ついに7日間移動平均の100万人当り死亡者数が過去最多(0.92人/日)となりました(図1)。ちなみに、これまでの最多は2021年3月23日の0.90人です。果たして、これからどのくらい増加していくのかを想像するだけで恐ろしくなります。

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図1. 国内におけるCOVID-19の死亡者数の推移(100万人当たりの7日間移動平均値、Our World in Dataより転載).

医療専門家を中心に散々言われていた「オミクロンは軽症」、「致死率が低い」は、全く意味のない物語であったことをあらためて認識することになりました。

引用したブログ記事

2022年2月1日 オミクロンは軽症なのになぜ病院をひっ迫させるのか?

2022年1月30日 「オミクロンは重症化率が低い」に隠れた被害の実態

2022年1月2日 2022年を迎えて−パンデミック考

2021年12月11日 オミクロン変異体が意味するもの

                     

カテゴリー:感染症とCOVID-19 (2022年〜)