Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

#PCR

今年の冬の新型コロナ・インフル検査・診断は大丈夫?

はじめに 今年の冬は、新型コロナウイルス感染症COVID-19とインフルエンザの同時流行が懸念されています。しかも、新型コロナについては、今まで以上の流行になる可能性があります。それに備えて、検査体制の拡充やインフエンザワクチンの接種を促すメッセー…

コロナ禍の社会政策としてPCR検査

はじめにーソフトバンクの試み ソフトバンクグループ株式会社の孫正義社長は、2020年9月24日、子会社として新型コロナウイルス検査センター株式会社(千葉県市川市 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター国府台病院内)を本格稼働させたことを発表しま…

巷に氾濫する新型コロナの検査に関する誤謬記事

2020.09.09: 10:15 a.m. 更新 このところ、相変わらずというか、新型コロナウイルスSARS-CoV-2のPCR検査に関するデマおよび詭弁を載せたウェブ記事を見かけることが多くなりました。このブログでは、最近のこの手の2つの記事について論評しました(→新型コ…

新型コロナについて詭弁を続けるウェブ記事–1 超過死亡はない?

はじめに インターネットメディアであるBuzzFeedの岩永直子氏は、新型コロナウイルス感染症に関する記事をシリーズで流しています。タイムリーな話題を記事にすることはいいのですが、問題はその中身です。これまでの全部の記事が、いわゆる政府よりの感染症…

学会の検査の捉え方と1日20万件の検査の不思議

はじめに 安倍総理大臣は、2020年8月28日、辞意表明を行うとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のパッケージの中身の一つとして1日20万件の検査を行なうことを発表しました。現在の検査能力と比べると、20万件/日という検査数はかなり増える…

コロナ禍で氾濫するPCR検査に関する詭弁

はじめに コロナ禍の日本において顕著になったことの一つとして、PCR検査に関する詭弁やデマの流布があります。そして、これらがいわゆる感染症対策の中心を担う"感染症コミュニティ"から発信されることで、異常とも言える混乱を招いてきたという事実があり…

PCR検査の偽陰性率を推定したKucirka論文の見方

はじめに 米国ジョンズ・ホプキンズ大学のL. M. Kucirka博士らの論文"Variation in false-negative rate of reverse transcriptase polymerase chain reaction–based SARS-CoV-2 tests by time since exposure"が、Annals of Internal Medicine誌オンライン…

政府分科会が示した感染症対策の指標と目安への疑問

はじめに 現在、日本では、新型コロナウイルス感染症COVID-19の再燃流行状況下(マスコミが言う第2波)にあります。これに際して、政府分科会は、8月7日、感染症対策の指標と目安を含めた提言を行ないました。しかし、この提言には疑問に思う点があります。…

長崎モデル−初のPCR集合契約

政府は5月25日の緊急事態宣言解除後、社会経済活動の促進に舵を切りました。感染が収束したら導入と言っていたはずのGoToトラベル事業も、東京除外ながら強引に始めました。しかしながら、経済を回すための新型コロナウイルス感染症対策がなかなか進みません…

PCR検査拡充非合理論の根っこにあるもの

2020.07.26: 08:25am 更新 昨日(7月24日)、「PCR検査陽性は感染者を直接あらわすものではない」という言述を二度見聴きしました。もちろん新型コロナウイルス感染症COVID-19に関するものです。 一つは、テレビの情報バラエティー番組「ゴゴスマ」での愛知…

ウイルスの変異とPCR検査

はじめに 新型コロナウイルスSARS-CoV-2を検出するための検査としては、ウイルスのRNAを標的とするPCR検査(および類似のLAMPやSmartAmp)とウイルス表面のタンパク質を標的とする抗原検査があります。日本ではPCR検査も抗原検査も感染を同定する確定診断法…

PCR検査の精度と意義ー補足

先のブログ記事「PCR検査の精度と意義 」で、日本ではPCR検査の「感度」や「特異度」を持ち出しながら、PCRの精度が悪いとか、検査は無意味という見解が多くみられることを紹介しました。この見解は、もっぱら「検査を広げると医療崩壊が起こる」という不思…

唾液のPCR検査

はじめに 今日(6月2日)、厚生労働省は、新型コロナウイルスSARS-CoV-2の感染の有無を調べるPCR検査について、唾液を採取して検体とする方法を承認しました [1]。この唾液検査は保険適用となります。5月11日に、早ければ5月中にも承認する方向で検討してい…

PCR検査の精度と意義

2020.06.08: 21:05 更新 はじめに 今日(6月1日)、テレビのワイドショーを観ていたら、PCR検査の意義に関する話題を取り上げていました。また新聞にもPCR検査の意義についての記事がありました。これらを見聞きしていると、PCRに関する情報の混乱やバイアス…

下水のウイルス監視システム

新型コロナウイルスの感染症については、第2波、第3波へ向けた対策が必要です。その中でも重要なのが、いかにして早く感染者を検査で見つけ出し、感染拡大を抑えるかということです。これまでの流行の過程で、COVID-19と当該ウイルスSARS-CoV-2に関するさま…

やはり検査と隔離が明暗を分けた

はじめに 日本では第1波のCOVID-19流行が減衰に向かい、首都圏と北海道を残して、緊急事態宣言の解除がなされるまでになりました。接触削減要請に伴う国民自粛の賜物だと思います。それとともに日本の感染症対策が効果があったのか、これからやってくると予…

テレビのコメンテーターによるPCR検査数のミスリード

テレビの番組では、いま盛んに新型コロナウイルス感染症COVID-19に関する話題をコメンテーター付きで流しています。その中には、「えっ?」っと思うようなとんでもない発言があったり、明らかに間違いというのも見受けられます。 昨日(5月9日)のTBSテレビ…

PCR検査の管理と体制改善

はじめに いま流行中のCOVID-19感染の実態把握と陽性患者確定には検査が不可欠です。このために世界中で多く使われているのがPCR検査です。具体的には、原因ウイルスSARS-CoV-2のRNAを検体から取り出し、それをDNAに変え(転写し)、それを鋳型として特定遺…

新規陽性患者数の減少に影響を及ぼすPCR検査数

日本では、COVID-19流行抑制対策として「なぜPCR検査が不足しているか」ということについて、今なお国会、メディア上、SNS上、そして検査の現場からもいろいろと声が上がり、議論されている状況です。私は、ドイツ、米国、インド、ヴェトナム、中国、韓国な…

COVID-19感染の検査体制を補う大学の力

はじめに COVID-19の流行の中、日本ではPCR検査不足がずうっと批判的に報道され続けています。PCR検査が広がらない要因としてはいろいろと言われていますが、私は3月4日のブログ記事「国内感染者1,000人を突破」で、国の方針であるクラスター戦略に伴う行政…

院内感染

昨日(4月24日)、NHKテレビを観ていたら、COVID-19流行に関するNHK独自の分析結果と、院内感染について放送していました。院内感染は医療崩壊に繋がる重大な事象ですが、日本ではすでに50以上の医療施設で起こっています。 まず、放送で伝えられていた、人…

専門家会議の記者会見を視聴して

昨日(4月22日)政府の新型コロナウイルス 感染症対策専門家会議が開かれ、その直後、その内容についての提言と記者会見がありました。4月7日の緊急事態宣言後からの初の記者会見でしたので、関心をもってほぼ全体に亘って視聴しましたが、ほぼ予想通りの会…

感染症学会のシンポジウムを視聴して思ったこと

昨日(4月18日)、日本感染症学会学術講演会特別シンポジウム「COVID-19 シンポジウム -私たちの経験と英知を結集して-」が開かれました。シンポジウムはYouTubeでライヴ中継されることになっていましたので、私は事前から非常に興味を持ち、当日はほぼ全…

ドライブスルー方式の導入で検査拡大か?

今日(4月17日)のテレビは、COVID-19対策として、厚生労働省がドライブスルー方式をも含めたPCR検査の拡充の方針を、各自治体に通達したことを伝えていました(図1)。昨日の新聞では、厚労省が15日付で出した事務連絡で、ドライブスルー方式の診察やPCR検…

COVID-19に関するNHKスペシャルを観て

はじめに 私はこのブログで、厚生労働省や政府専門家会議の新型コロナウイルス 感染症COVID-19への対策としての基本方針と取り組みの問題点を、当初から指摘してきました(ブログ記事:新型コロナウイルス感染症流行に備えるべき方策、 国内感染者1,000人を…

保健所の激務に見る日本の検査体制の矛盾

先日、このブログの記事「あらためて日本のPCR検査方針への疑問」で、日本の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症COVID−19の対策として、感染状況の把握に必須であるPCR検査がなぜ増えないのか?を考察し、それが厚生労働省と政府専門家会議が決定した積…

あらためて日本のPCR検査方針への疑問

日本におけるCOVID-19の感染者は、増加の一途をたどっています。厚生労働省の発表によれば、4月5日12時の時点でのPCR検査陽性数は、国内事例で3,191人です。 ただ、これはマスメディアやSNS上でも散々指摘されているように、限定されたPCR検査によってわかっ…

国内外から信用されない日本の感染の現状

4月3日、在日米国大使館はホームページ上で、日本における新型コロナウイルスの感染者数が増えている現状を受けて、帰国を希望するアメリカ国民は、今すぐ準備するように呼びかけました [1]。これはテレビやインターネット上でもすぐに報道されました [2, 3]…

新型感染症の検査と対策ー各国の現状に学ぶこと

今日(3月30日)のテレビのニュースは、中国の研究チームによるCOVID-19の感染に関する調査結果を伝えていました [1]。COVID-19ウイルスSARS-CoV-2の感染者がその濃厚接触者へどのくらい感染させたかについて調べた結果です。発症者からの感染率が6.3%、無…

PCR検査が医療崩壊防止のカギ?

はじめにー日本は嘘をついている 昨日(3月27日)、Japan Subculture Research Centerという情報ウェブサイトが、「日本は新型コロナウイルスの感染者数について情報をごまかしている、嘘をついている」という記事を掲載しました[1]。嘘をついていると指摘し…