Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

#生物学

アカボシゴマダラ5齢幼虫の擬態

この時期(4月上旬)、越冬明けのアカボシゴマダラの幼虫は続々と5齢幼虫へと脱皮しています。そして幼虫を最も探しにくいのもこの時期です。幹上や落ち葉の下はとにかく探せば比較的容易に見つかります。夏の葉上の幼虫は食痕や台座をたよりに探すことがで…

アカボシゴマダラとゴマダラチョウの起眠における時間差

Hestina 属種幼虫をずうっと追いかけてきて、一般で常識化していることや何となく言われていることが、実はそうではないと思うことがたくさんあります。 その中の一つが先のページでも述べたように、「幹上で越冬するアカボシゴマダラ幼虫の優位性」です。す…

ムラサキシジミ

今日はたくさんのシジミチョウを見ました。ヤマトシジミ、ルリシジミ、ベニシジミなど。唯一写真に撮ることができたのがこれです。ムラサキシジミ。

この時期のアカボシゴマダラ幼虫の動態

越冬から覚めたアカボシゴマダラ幼虫は、気温が上がり始めるこの時期にさまざまな動きを示します。まずは、半数の個体はまだエノキの低木・幼木の枝の二又の位置に止まっています(写真1)。体は落ち葉の下と比べてだいぶ大きくなっています。 写真1 一方で…

新芽を食べるアカボシゴマダラ幼虫

越冬から明けたアカボシゴマダラの幼虫はいま大部分がエノキの低木・幼木の幹上で若葉が出るのをジッと待っています。一方で、昨日今日と冷え込んだように、幹上に到達したもののこの寒さと乾燥に耐えきれずに脱落し消えていく個体も多数見られます。 今日は…

エノキ幹上から消える幼虫

越冬明けのアカボシゴマダラの幼虫はエノキ幹上にほぼ出揃ったようです。この3日間すべての定点で数が増えなくなりました。一方ゴマダラチョウの幼虫はまだ上り続けています。不思議なのは幹上に上って位置どりしていたこれらの幼虫がある日突然いなくなるこ…

アカボシゴマダラ越冬幼虫の脱皮

今朝エノキ低木・幼木の定点調査に行ったところ、多くのアカボシゴマダラ幼虫が幹上で脱皮前の形態変化をしている中で、1頭だけすでに脱皮している個体を見つけました(写真1)。 4齢越冬型から立派な頭部突起が生えた緑とピンクの色の体に変化していました…

崩れ落ちたアカボシゴマダラの蛹

3日前にアカボシゴマダラのミイラ化した蛹がぶら下がっているところを紹介しました。↓ 蛹ではどうしても冬を越せないようですね。 新葉を待つ越冬明けの幼虫 今日、その場所に行ってみたら蛹の2/3が抜け落ちていました。写真左が3日前の蛹、右が今日の蛹です…

ゴマダラチョウ幼虫の微妙な形態変化

昨日はこの時期のアカボシゴマダラの微妙な形態変化を紹介しました。↓ アカボシゴマダラ幼虫の微妙な形態変化 今日はゴマダラチョウの幼虫です。アカボシほどではないですが、ゴマダラチョウも微妙に形態変化しています。 写真左は4日前のもので、右は今日撮…

アカボシゴマダラ幼虫の微妙な形態変化

越冬から目覚めたアカボシゴマダラの幼虫ですが、越冬前に検出したエノキ幼木・低木上の数から判断するとほぼ幹上に出揃った感じがします。一部の幼木では全く幼虫が見られないか一晩で上っていた全員がいなくなるなどの不思議な現象が観察されますが、急激…

春の黄色い花と公園植栽管理

春は菜の花をはじめとして黄色い花が目立ちます。都市公園を訪れるとこの時期レンギョウ、ヒイラギナンテン、ヤマブキなどの黄色い花が見られます。写真1は千葉県柏市内の公園のレンギョウの花です。 写真1 写真2、3は千葉県松戸市内の公園のヤマブキです。…

新葉を待つ越冬明けの幼虫

3月もだんだんと終わりに近づいてきて桜も満開間際となりました。ゴマダラチョウやアカボシゴマダラも日当たりのよい樹木では大部分の越冬幼虫が上り切って、新葉を待っています。 写真1はエノキ低木の二又の位置で止まっているゴマダラチョウの越冬幼虫です…

イヌシデ?の樹液

いつもの昆虫の定点観察の場所の一つを訪れたら、道の沿った木の枝が軒並み切り落とされていました。 写真1は枝を切り落とされたエノキです。ここの場所の管理者は市の教育委員会なので市の委託で造園業者が切り落としたものでしょう。エノキは横に枝を張る…

同じ幹にとまるアカボシゴマダラとゴマダラチョウの越冬幼虫

夏になると、アカボシゴマダラとゴマダラチョウの成虫がクヌギなどの樹液を争って吸蜜する場面はときどき見かけることができます。 多くの場合、アカボシゴマダラの勢力の方が勝るようです。 また 両種の幼虫が1本のエノキの葉上に同時にいることも稀にあり…

ハナニラ

いつものようにエノキの定点観察でぐるっと回っていたらエノキ幼木のすぐそばにハナニラ Ipheion uniflorum の花が咲いていました。ネギ亜科ハナニラ属に属する多年草です。園芸用に持ち込まれた外来種で帰化しています(写真1)。 写真1 近づいてみると花び…

またまたエノキの伐採

道端、公園、雑木林の縁などに生えているエノキの低木、幼木はことごとく切られる運命にあります。もとより鳥がエノキの実が大好きであちこちに運びますから簡単に生えてくる状況がありますが、それにしても伐採の頻度が激しいです。私がこの一年で目撃した…

エノキ幼木の葉

近くの公園のエノキ幼木を見に行ったら、もう若い葉が出ていました。葉脈がはっきりと見えます。 しかし、今日は冷え込みましたね。越冬から起きて幼木の枝にいたアカボシゴマダラの幼虫が一斉にいなくなりました。アカボシも上ったり降りたりで大変。

今日もルリタテハ

最近毎日のようにルリタテハを見ます。同じく成虫で越冬するテングチョウやキタテハが痛んだ翅を見せているのに、私が目撃するルリタテハはきれいです。 今日もコツバメらしきシジミチョウを見たのですが、写真に撮ることができませんでした。ちょっと目を離…

アカボシゴマダラ越冬幼虫の遺骸

3月半ば頃からアカボシゴマダラの越冬幼虫が落ち葉の下から続々とエノキ幹上に移動していますが、一部はすでに遺骸化しています。 写真1は4日前に幹上に移動した越冬幼虫ですが、今日見たら頭部がなくなっており、中身が空っぽでした。寄生虫(寄生バチや寄…

エノキの芽吹きとHestina幼虫

日に日に暖かくなって今日は日中の温度が20℃を越えました。あちこちのエノキ幼木・低木の枝を見てみましたが、日当たりがよいものは芽吹いています(写真1)。 写真1 アカボシゴマダラの越冬幼虫は続々とエノキの幹に上り始め、多いものでは1本で10頭を越す…

テングチョウ

雑木林の中あるいは周囲にエノキが点在するような場所では、いま越冬から覚めたテングチョウの成虫が舞っています。今日訪れた公園でも複数の個体が飛び交っていました。どの個体も翅がボロボロですが、冬を耐え抜いた証です。 テングチョウのほかにも、ルリ…

幹に上り始めたアカボシゴマダラ

3月も半ばを過ぎだいぶ暖かくなってきました。エノキの落ち葉の下にいたアカボシゴマダラの越冬幼虫が続々と幹に上り始めています(写真1、2)。とくに日当たりの良いエノキの低木・幼木にはおいては、上るのが早いようです。ちなみに写真1の個体は通常4列あ…

北総花の丘公園

今日は千葉県印西市にある県立の北総花の丘公園に行ってきました。北総台地に広がるこの公園は、昨日の「21世紀の森と広場」とほぼ同じの50 haの面積を有しますがが、周囲をぐるりと回ることができるので、はるかに広く感じました。 公園の入り口です(写真1…

21世紀の森と広場

昨日は千葉県松戸市にある「21世紀の森と広場」に行ってきました。約50 haの広さをもつ公園です。昔からある自然を生かした自然尊重型の都市公園が理念だそうで、湿地を囲む林や周辺のイヌシデなどの落葉樹を含む常緑樹を主体とする森が残されています。 し…

都立桜ヶ丘公園

今日は東京都多摩市にある桜ヶ丘公園に行ってきました。丘陵と谷間からなる都立公園で、約34 haの広さがあります。丘陵公園だけに起伏に富んでいて、帰宅してからスマートフォンのヘルスケアデータを見たら68階分の上り下りに相当していました。 京王永山駅…

アカボシゴマダラ非越冬型幼虫のその後

アカボシゴマダラ Heitina assimilis はゴマダラチョウ Hestina japonica と同様に、越冬型4齢幼虫で冬を越します。ところが、越冬型になりきれず頭部突起が伸びたままの非越冬型が、少数ですがこの冬見られました。このような冬の非越冬型はゴマダラチョウ…

新宿御苑

今日はあいにくの曇り空でしたが、仕事のついでに新宿御苑に行ってきました。東京新宿のど真ん中にありますが、広さ58.3ha、周囲3.5kmの広大な公園です。元々は皇室の庭園として造られまたものが戦後国民公園となり、現在は環境省の所管として運営されていま…

自然教育園

今日は自然教育園に行ってきました(写真1)。東京都港区白金台にある国立科学博物館附属の自然緑地です。JR山手線の目黒駅から徒歩10分弱のところにあります。余談ですが目黒駅は目黒区ではなく品川区にあるのが不思議です。 この緑地は、あまり人の手を入…

石神井公園と六義園

今日は東京都練馬区にある石神井公園と文京区内の六義園を訪れました。 石神井公園は都立公園の一つであり、石神井池と三宝寺池という東西に位置する二つの湧水池が中心を構成する広さ約20万平方メートルの公園です。園内には沼沢植物群や雑木林とともに多種…

ケヤキの大木

ケヤキ Zelkova serrata はニレ科ケヤキ属の落葉高木で、日本では本州以南に自生しています。ホウキを逆にしたようなまっすぐに伸びる枝が特徴的で、その左右対称的な美しさから公園の植樹や街路樹としてもよく使われています。 写真は、東京都板橋区と練馬…