Dr. Tairaのブログ

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アカボシゴマダラ5齢幼虫の擬態

この時期(4月上旬)、越冬明けのアカボシゴマダラの幼虫は続々と5齢幼虫へと脱皮しています。そして幼虫を最も探しにくいのもこの時期です。幹上や落ち葉の下はとにかく探せば比較的容易に見つかります。夏の葉上の幼虫は食痕や台座をたよりに探すことができます。
 
ところが春の5齢幼虫は、保護色かつ擬態化していて非常に見つけにくいのです。食痕や台座もないのでとにかく目を凝らして探すしかありません。
 
写真1は5齢になったばかりの個体(左)と脱皮して1週間経過した個体(右)を示します。色といい形といい、完全にエノキの若葉に化けています。
 
イメージ 1
写真1
 
唯一手がかりと呼べるものが幼虫の抜け殻です。このような脱皮痕はエノキの幹の二又の位置にくっついていることが多いです(写真2)。これが見つかれば、その近くかそれよりも上側の枝の先端に5齢幼虫がくっついていることが多いので手がかりになります。
 
イメージ 2
写真2
 
というわけで、この時期は幼虫の数をチェックするのにいつもよりも時間がかかるようになりました。