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ワクチンとしてのスパイクの設計プログラムの可否

カテゴリー:感染症とCOVID-19

はじめに

今日(6月9日)開かれた党首討論で、菅義偉総理大臣は「強制的に検査を行なうことができない中でどうやってやるのだ」と枝野幸男代表(立憲民主党)に逆質問していた一方で、「ワクチンは切り札」と述べていました。つまり、検査は積極的(強制的)にできないと言い訳している一方で、ワクチンは1日100万回接種を目指せと号令をかけているわけです。理屈になっていません。

それはともかく、COVID-19感染の発症や重症化予防にとってワクチンそのものが効果的であることは間違いなく(とはいえ、感染収束の切り札かどうかはもう少し待たないとわからない、おそらく切り札にはならない)、遅ればせながら日本でも急速にワクチン接種が進み、6月8日時点で少なくとも1回接種で約1450万人に達しています(図1)。

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図1. 日本国内のワクチンを受けた人の累計数(NHK 特設サイト「新型コロナウイルス感染症」より転載).

その一方で、ワクチン接種後の有害事象についてもチラホラ報道されています。その中でも最悪は死亡例です。このブログでは、ワクチン接種の有害事象とSARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードする核酸配列を用いた現行ワクチンとの関係について、既出の文献も参考にしながら個人的所感を述べたいと思います。

結論を述べれば、全スパイクタンパクを設計図・指令書とするいまの遺伝子ワクチン(正確にはワクチンではなく修飾mRNA型生物製剤は時期尚早だったということです(はっきり言えば失敗)。あるいは、そもそも、健康体にスパイクを抗原として作らせるmRNA生物製剤プラットフォーム戦略自体が間違っているのではないかということです。以前のブログ記事(→mRNAを体に入れていいのか?)で懸念していたことが、現実のものになろうとしています。

1. ワクチン接種に伴う死亡例

厚生労働省は、これまでのワクチン接種に伴う85人の国内死亡例をひっそりと報告しましたが、それを女性セブンが取り上げていました [1]。それを私は以下のようにツイートしました。FT(Finatial Times)が報道した英国のAZ(アストロゼネカ)社ワクチンの接種に伴う死亡例(3300万人中56人)[2] と比較して、日本の死亡例(1400万人中85人)が多いのでは?という印象を述べたものです。

同時に厚労省の資料を再確認していたら、5月26日以降に新たに54件の死亡例があって計139件に増えたこと、そしてさらに6月4日までに57件に事例が加わり、合計196件の死亡例になったと記す新規資料が出されていました [3]。この資料についてはすぐに上記ツイートのリプライとして紹介がありました。

少なくとも1回の接種人口約1450万人に対する合計死亡例196人を考えると、100万人当たり約14人という割合になります。これは上記の英国の例(100万人当たり約2人)と比べると明らかに多いです。

米国では、2020年12月14日~2021年1月13日の期間、合計13,794,904回のワクチンが接種され(61.2%が女性)、6,994件の有害事象が報告されています [4]。全報告のうち,6,354 件(90.8%)が非重篤,640 件(9.2%)が重篤と分類され,そのうち 113 件(1.6%)が死亡となっています。したがって、接種後死亡率は100万人当たり約8人となり、日本と比べると低いです。

どの国もそうですが、死亡例として報告されているすべてがワクチン接種との因果関係について明確になっているものでないので、一概に比較するのも慎重にならざるを得ないところがあります。日本ではほとんどが評価不能とされています。しかしそれを考慮しても、日本の死亡の割合は高いような気がします。接種後数時間で亡くなった例もあります。

ここで国内のインフルエンザワクチンの有害事象例と比べてみましょう。厚労省平成28年度のデータを例として出しますが、接種者52,845,556人に対して重症報告者数が163人、死亡報告数が10人です [5]。死亡率は100万人当たりでは約0.2人となります。つまり、COVID-19ワクチンはインフルエンザワクチンに対して70倍の接種後死亡率になり、因果関係評価云々に関わらず、事象だけ比較すれば圧倒的に高いです。

そして、mRNAワクチンについては、そもそも副作用(ワクチン用の言い方では副反応)の程度と数が従来のワクチンと比べて異常なくらい大きいことも問題です。もし、これがインフルワクチンであったら打つのを躊躇するだろういうレベルで起こっています。副作用は免疫反応の強さが現れていると説明する専門家もいますが、mRNAワクチンだったらなぜそれが許されるのかという矛盾があります。

いずれにせよ、重篤な有害事象や死亡例については原因をきちんと追跡調査することが必要でしょう。問題は厚労省がきちんとそれができるか、情報を逐次公開できるかというということですが。どうも厚労省は、今後とも、ワクチンとの因果関係を認めるつもりはないのではないかというフシが見られます。メーカーとの契約が絡んでいるのでしょうか?

2. ワクチン接種の効果と影響ー欧米と日本の差異

個人的に思っていることとして、ワクチンの効果と影響については欧米と日本は少し異なるのではないかということです。今日付けのworldometerの統計値を見ると、100万人当たりのSARS-CoV-2陽性者数は、米国102,952、英国66,487であり、日本の6,071に比べるとそれぞれ17倍、11倍です。

米国、英国ではワクチンを受ける前から既に感染していた人が多く、ある程度の免疫ができていたことが考えられます。つまり、"生ウイルスワクチン"を受けたその上で1回目の核酸ワクチン接種を受けたということであり、その場合の効果や影響については、日本とは少し異なるかもしれません(免疫の相乗効果がある?)。

もとより、西洋諸国や日本で使われている現行のワクチンは、AZ社のアデノウイルスベクターを利用したDNAワクチン、またはファイザー/ビオンテック社、モデルナ社のmRNAワクチンという、DNAとRNAの差はありますが、いずれもスパイクタンパク質をコードする核酸配列を体に入れるものです。体の中で実際に「スパイクが作られることによって及ぼされる影響」についてはよくわかっていないところがあります。

そして、主として欧米人の治験データに基づいて決められた用量を、体格、体重が異なる日本人にそのまま適用しているのも問題だと思います。特に女性や若年者の場合は、副作用や有害事象の程度が大きくなる可能性があります。

3. 核酸ワクチンへの懸念ーDefenderの記事から

すでに、AZのDNAワクチンでは血栓を生じる問題が明らかになり、接種を中止している国もあります。血栓を作るメカニズムも明らかにされており、そのメディア報道もあります [2]。すなわち、細胞核内でスパイクタンパクをコードするDNAの一部がスプライシングされることで変異体が作られ、重要な免疫を司る細胞に結合することができなくなり、浮遊した変異型タンパク質が細胞から血管内に分泌され、血栓を誘発するというメカニズムです。この現象は10万人に1人の割合で起こるとされています。

ここで疑問なのは、変異型タンパクで血栓を生じるなら、mRNA翻訳物のスパイクタンパクやその分解物でも生じるように思えるのですが、それを否定できる証拠はあるのでしょうか。つまり、ワクチンmRNAはヒトのRNA編集(APOBECによるC→U変異 [6])の影響を受けて、変異タンパク質をつくることはないのでしょうか。

mRNAワクチンについては、時期的に少し前(2021年2月10日)になりますが、Defenderが懸念を示す記事を出しています [6]。それをここで紹介したと思います。以下の3.1〜3.4は、筆者が記事を翻訳したものをまとめたものです。

3.1 小児リウマチ専門医の警告

小児リウマチ専門医のJ・パトリック・ウィーラン博士(J. Patrick Whelan)は、2020年12月、米国食品医薬品局(FDA)に対して公開資料を送り、SARS-CoV-2スパイクタンパクに対する免疫を作るために設計されたmRNAワクチンが、かえって傷害を引き起こす可能性について注意を促しました。ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンは、まだ安全性試験で評価されていない面として、脳、心臓、肝臓、腎臓に微小血管障害(炎症や微小血栓と呼ばれる小さな血の塊)を引き起こす可能性があると警告しました。

残念ながら、ウィーランの警告は深刻に受け取られず、米政府は限られた臨床試験のデータに頼ることになりました。特に小児に対するワクチンの安全性を保証するための追加試験は求められませんでした。

では、なぜウィーランは、mRNAワクチンが血栓や炎症を引き起こすことを心配したのでしょうか?

SARS-CoV-2に感染した場合、肺以外の多くの臓器に広範な障害が発生するという、特異かつ致命的な症状があります。世界中の臨床医は、このウイルスが心臓の炎症、急性腎臓病、神経障害、血栓、腸管障害、肝臓障害などを引き起こす可能性を示す証拠を目にしてきました。しかし、意外なことに、肺以外の臓器でのウイルスの存在は非常に限られているか、観察されないという事実があるのです。ここが重要なポイントです。

3.2. COVID-19による心血管合併症

COVID-19は当初、呼吸器系の感染症と考えられていましたが、その後、この感染症が心臓をも脅かすことが明らかになってきました。COVID-19で入院した人の約4分の1が心筋梗塞を起こし、多くの人が不整脈血栓塞栓症を発症することが報告されています。

COVID-19から回復した100名の患者を追跡調査した研究では、78%の患者でMRIスキャンによる心臓の病変が認められ、60%の患者で心筋の炎症が進行していることがわかりました [7]。これらの所見は、感染症の重症度、病気の全体的な経過、最初の診断からの時間とは無関係でした。

2020年10月、研究者らはCOVID-19による死亡後の心臓をより詳細に調査し、心臓の損傷は一般的であるけれども、炎症よりも血栓によるものが多い、ミクロトロンビ(小さな血栓が頻繁に見られる ことを明らかにしました [8]。そして、心筋の壊死や微小血栓を作ることにおいて、ウイルスの心臓への直接侵襲が大きな役割を果たしているとは考えにくいとされました。

イェール大学の循環器内科医であるHyung Chun博士は、血管を覆う内皮細胞が炎症性サイトカインを放出する可能性があり、それが身体の炎症反応をさらに悪化させ、血栓の形成につながると指摘しています。「炎症を起こした」内皮は、COVID-19の回復を遅らせるだけでなく、心筋梗塞脳卒中のリスクに寄与する重要な因子であると考えられます。

その後、先月発表された研究では、COVID-19の感染により死亡した40名の患者において、微小血栓による心筋細胞の壊死が確認され、心筋梗塞の主要な原因であることが明らかになりました。

3.3. COVIDによる神経系の合併症

COVID-19患者には、頭痛、運動失調、意識障害、幻覚、脳卒中脳出血などの膨大な数の神経学的症状が見られます。一方で、剖検調査では、ウイルスが患者の脳に侵入したという明確な証拠はまだ見つかっておらず、研究者たちは、SARS-CoV-2が神経症状を引き起こすという原因については、別の説明が必要と考えています

昨年4月に病院で死亡した神経症状を呈するCOVID-19患者18人を対象とした研究では、患者の脳の中でわずか5人から、かつ非常に低いレベルのウイルスRNAしか検出されませんでした [9]。このRNA濃度の低さから、人々が経験している深刻な神経症状がウイルスの直接侵入によるという可能性は低いとしています。

2021年2月4日付の New England Journal of Medicine 誌に掲載された分析では、COVID-19で死亡した患者の脳に微小血管の損傷が見られましたが、ウイルスの証拠はなかったと、国立神経疾患・脳卒中研究所の研究者が報告しています [10]。著者らは、「COVID-19で死亡した患者のサンプルにおいて、磁気共鳴顕微鏡、病理組織学的評価、および対応する切片の免疫組織化学的分析を行なったところ、脳と嗅球に多巣性の微小血管損傷が観察されたが、ウイルス感染の証拠はなかった」と報告しました。

3.4. スパイクタンパク質の悪影響の可能性

COVID-19に関連して肺より遠方のさまざまな臓器に傷害を与える原因は、ウイルス感染ではないとしたら、ほかに何が考えられるでしょうか?

最も可能性の高い原因は、ウイルスの外殻から血中に放出されるスパイクタンパク質であると考えられます。後述の研究 [11] では、COVID-19患者において、ウイルスのスパイクタンパク質が遠方の臓器に損傷を与えるきっかけとなる一連の事象を引き起こすことが報告されています。そして、懸念されることは、いくつかの研究では、ウイルスの痕跡がなくても、スパイクタンパクだけで、体全体に広範な損傷を引き起こす能力があることが分かっていることです。

脳に霞がかかったようなと称される神経症状(いわゆるブレイン・フォグ [brain fog])も、スパイクタンパクの影響によるものと推察されますが、これからの研究で明らかになっていくでしょう。

これらの症例の関係で非常に困るのは、モデルナ社とファイザー社の COVID-19 mRNAワクチンが、私たちの細胞にSARS-CoV-2のスパイクタンパクを製造するようにプログラムされていることです。つまり、体の中にスパイクタンパク質をもつ細胞が存在するようになることです。これらのワクチンは、完全長のスパイクタンパク質を生成するmRNAで構成されています。

2020年12月16日付けで Nature Neuroscience 誌にオンライン掲載された研究論文では、市販のCOVID-19スパイクタンパク(S1)をマウスに注射すると、血液脳関門を容易に通過し、調べた11の脳領域すべてで発見され、脳実質空間(脳内の機能組織)に入っていくことが実証されています [11]

翻訳を中心としたDefender記事の説明は以上です。

4. mRNA型生物製剤プラットフォームの問題

前のブログ記事(→mRNAワクチンを受けた人から抗原タンパクと抗体を検出)でも示したように、mRNAワクチンの接種で、スパイクタンパクだけでなく、その分解物であるS1が注射部位と関連する局所リンパ節を超えて全身に広がることが報告されています。その持続性は2週間とされていますが、mRNAとともに、もっと長期間にわたることもあり得るでしょう。いまは、十分に調べられていないだけです。

最も危惧されることとして、従来のワクチン(生ワクチンや不活化ワクチン)と遺伝子ワクチンの根本的な違いであり、後者において、スパイクタンパクを産生する細胞そのものが、細胞性免疫の攻撃対象になりはしないかということです。スパイクの分解物が全身から検出されるということは、それを暗示しています(→mRNAワクチンを受けた人から抗原タンパクと抗体を検出)。

つまり、メチルシュードウリジン修飾のワクチンmRNAが、宿主のRNA感知センサーを回避し、免疫抑制を行なう(抑制性T細胞を誘導する) [12] ことで合成スパイクの寿命が延び、スパイクを抱えたエクソソームが全身に広がることが考えられます。一方で、一旦特異的抗体産生能を獲得すると、今度は追加接種に応じて自然免疫の攻撃を受けるチャンスも広がるという矛盾した複雑な関係が生まれます。

すなわち、1回目の接種はまだいいですが、液性免疫が成立した(抗体を獲得した)後の追加接種は、スパイクを産生する全身の細胞が抗体依存的に自然免疫の攻撃を受ける抗体依存的細胞傷害(ADCCが起きる可能性があります。このような自己免疫性疾患は、抗体依存性免疫増強(ADE)の可能性やスパイクタンパクの毒性とともに、mRNAワクチンの根本的欠陥を示しているように思われます。

COVID-19のmRNAワクチンの開発が始まったのは1年以上も前です(→集団免疫とワクチンーCOVID-19抑制へ向けての潮流)。おそらく、その時点では、細胞のタンパク質合成プロセスのリスクやスパイクタンパク自身の毒性や悪影響については何も情報がなく、分子生物学と免疫学の理論上の話と局所最適化という技術面だけでそれが抗原として選択され、mRNAが設計された可能性があります。そして、1年経過してスパイク自身の問題点が徐々に明らかになってきたと言えますが、緊急性とリスク/ベネフィット比を考えて、もはややり直しは効かず、突っ走ったということでしょう。ワクチンを巡る利権もあるでしょう。

しかし、やはり、有害事象や副作用を十分に検証する時間がなかったという意味では、時期尚早であった、あるいは根本的に戦略が間違っていたということではないでしょうか。

米国の研究チームは、mRNAワクチンは、急性の有害事象を示さなければ、基礎疾患を持つ高齢者にも有益であるはずだが、特に健康な人や若年層、子供に接種した場合には、長期的な影響を慎重に検討する必要があると指摘しています [13]。そして、SARS-CoV-2の感染者やスパイクタンパク質ベースのワクチンを接種した人から得られるデータを評価するだけでなく、ヒト細胞や適切な動物モデルにおけるSARS-CoV-2スパイクタンパク質の影響をさらに調査する必要があると述べています。

米国CDCは最近、mRNAワクチン接種に伴う若年層の心筋炎心膜炎の発生を報告しています [14]。しかし、現在のところ、稀なケースでもあり、すぐに回復することやCOVID-19ワクチン接種の既知および潜在的な有益性は、これらの有害事象の可能性を含む既知および潜在的なリスクを上回るとして、12歳以上の接種を推奨しています。ただ、この事象については緊急会合を開き対応を協議するようです。

局所最適化と特異性を向上させたmRNAワクチン戦略は、理論的、技術的には妥当でも未知の危険性の可能性の検証を時間的・政治的都合で排除したという面においては、そもそも間違いだったという気がしますし、人間の浅はかさを見るような思いもします。病気の治療に使うと言うならまだしも、健康体にmRNAを接種してタンパク質を作らせるというのは、やはり大きなリスクを伴うということでしょう。

これまで上市されている遺伝子治療用の核酸医薬品は、すべて数十塩基の配列として作られており、遺伝子の異常を修復して、体に必要なタンパク質を正常に作らせるものです [15]。一方、いまのmRNAワクチンは、もともと体にない、かつ毒性の疑いがあるタンパク質を接種者の細胞に作らせるものです。この意味で全く新しい試みであり、当初からリスクを伴うものであった(それが分かっていた)と言えます。

おわりに

厚労省が発表したmRNAワクチン接種後の死亡例では、原因がくも膜下出血脳出血脳梗塞、急性心不全心筋梗塞など、素人目にも明らかに循環器系統の障害が目立っています [3]。上記のCOVID-19の症例やスパイクタンパク質に関する研究を考えると、体内で翻訳・合成されたスパイクタンパクの影響、あるいはスパイク合成細胞への自己免疫反応を疑わせるものですが、現在は評価不能となっています。この先ずうっと評価不能とすることで、「ワクチンが原因で死亡したと認められた事例はない」という詭弁を展開するものと予想されます。

ワクチン接種先進国であるイスラエルと英国では新規陽性者数が減少していますが、部分的ロックダウンの影響もあるので、ワクチンによる感染予防ができた、それが維持できると見なすのは早計です。事実英国ではリバウンドの傾向が見えています。イスラエルもこれに続くでしょう。特異性を高めたmRNAワクチンと液性免疫(中和抗体)が長続きしないコロナウイルスの宿命のような気がします。

最後に、mRNAドラッグブラットフォームは、病気治療や健康障害の遺伝子治療に向けられるもので、健康な大勢の人(特に若者や子供)に接種するワクチンという使い方は避けるべきと思います。抗体価が長続きしないという問題を、繰り返しの接種(ブースター接種)で解決しようとする意図も間違いだと思います。これから、健康な人のmRNAワクチン接種後の体調不良やlong-COVID(→"Long COVID"という病気に似た事例が急増するのではないかと懸念します。

ワクチンはスパイクコードのmRNA/DNAではなく、国内産の不活化ウイルスワクチン、あるいは複数の抗原エピトープをカバーする組換えタンパクを広めるのが(たとえ効力は落ちても)賢いやり方だと個人的には思います。不活化ワクチンは、今のmRNAワクチンンに比べて、特異的にスパイク中和抗体を誘発する能力は小さいと思われますが、幅広いタンパク質に対する細胞性免疫を誘発でき、ウイルスの変異に対しても、持続性があると想像できます。少なくとも、タンパク質合成細胞自身が自己免疫の攻撃対象になることは防止できるし、国内産であれば、外国のメガファーマの思惑や契約に縛られるということは軽減できるでしょう。

引用文献・資料

[1] NEWポストセブン:新型コロナワクチン 接種直後に急死した日本人85人詳細データが公表. 2021.06.04. https://www.news-postseven.com/archives/20210604_1665296.html?DETAIL

[2] Gross, A.: Scientists claim to have solved Covid vaccine blood-clot puzzle. Finatial Times May 27, 2021. https://www.ft.com/content/f76eb802-ec05-4461-9956-b250115d0577

[3] 厚生労働省: 新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要. 2021.06.09. https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000790071.pdf

[4] Centers for Disease Control and Prevention (CDC): First month of COVID-19 vaccine safety monitoring — United States, December 14, 2020–January 13, 2021. MMWR 70, 283–288 (2021). https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7008e3.htm

[5] 厚生労働省平成28年シーズンのインフルエンザワクチン 接種後の副反応疑い報告について. 医薬品・医療機器等安全性情報 No.349, 2017.12.
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000189772.pdf

[6] Simmonds, P.: Rampant C→U hypermutation in the genomes of SARS-CoV-2 and other coronaviruses: causes and consequences for their short-and long-term evolutionary trajectories. mSphere. 5, e00408-20 (2020). https://doi.org/10.1128/mSphere.00408-20

[6] Redwood, L.: Could spike protein in Moderna, Pfizer Vaccines cause blood clots, brain Inflammation and heart attacks? Defender. Feb. 10, 2021. https://childrenshealthdefense.org/defender/moderna-pfizer-vaccines-blood-clots-inflammation-brain-heart/

[7] Puntmann, V. O. et al.: Outcomes of Cardiovascular Magnetic Resonance Imaging in Patients Recently Recovered From Coronavirus Disease 2019 (COVID-19). JAMA Cardiol. 5, 1265–1273 (2020). https://jamanetwork.com/journals/jamacardiology/fullarticle/2768916

[8] Phend, C.: COVID heart autopsies point more to clot damage than myocarditis. MEDPAGE Today Oct. 15, 2020.
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/tct/89143

[9] Zimmer, K.: COVID-19’s effects on the brain. The Scientist. Jan. 20, 2021. https://www.the-scientist.com/news-opinion/covid-19s-effects-on-the-brain-68369

[10] Lee, M.-H. et al.: Microvascular Injury in the Brains of Patients with Covid-19. N. Eng. J. Med. 384, 481–483 (2021). https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2033369#_blank

[11] Rhea, E. M.: The S1 protein of SARS-CoV-2 crosses the blood–brain barrier in mice. Nat. Neurosci. 24, 368–378 (2021). https://www.nature.com/articles/s41593-020-00771-8

[12] Krienke, C. et al.: A noninflammatory mRNA vaccine for treatment of experimental autoimmune encephalomyelitis. Science 371, 145–153 (2021). https://doi.org/10.1126/science.aay3638

[13] Suzuki, Y. J. & Gychka, S. G.: SARS-CoV-2 spike protein elicits cell signaling in human host cells: Implications for possible consequences of COVID-19 vaccines.  Vaccines 9, 36 (2021). https://doi.org/10.3390/vaccines9010036

[14]  Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Myocarditis and pericarditis following mRNA COVID-19 vaccination. Updated May 27, 2021. https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/myocarditis.html

[15] 井上貴雄ら: 核酸医薬開発の現状と今後の展望. Drug Delivery System 34, 86–98 (2019). https://doi.org/10.2745/dds.34.86

引用したブログ記事

2021年5月27日 mRNAワクチンを受けた人から抗原タンパクと抗体を検出

2020年11月17日 mRNAを体に入れていいのか?

2020年10月12日 "Long COVID"という病気

2020年3月21日 集団免疫とワクチンーCOVID-19抑制へ向けての潮流

                

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