今朝のTBSテレビ番組「あさチャン!」ではロングライフ食品の一つとして豆腐を取り上げていました。ロングライフ食品とは、微生物の増殖を抑える条件に工夫を加えて賞味期限を大幅に長くした長期保存の加工食品です。豆腐の場合通常1週間程度の賞味期限ですが、ロングライフ製品では常温保存で約半年間の賞味期限となります。
番組ではロングライフ豆腐を製造販売している森永乳業株式会社の工場を取材していました(図1)。ちなみにロングライフ豆腐は店頭販売されておらず、宅配サービスによる供給のようです。
図1. ロングライフ豆腐のメーカー取材紹介
ロングライフを可能とする工夫はまずパッケージにあります。容器に使われる紙やポリエチレンは空気を通しますが、この間にアルミ箔を入れることにより空気を遮断することができます(図2)。これにより、酸素を必要とする微生物の増殖を抑えることができます。
この方法自体は従来からあるもので、さまざまなレトルト食品や紙パックのロングライフ飲料製品などに使われています。
図2. ロングライフを可能とするパッケージの特徴
ロングライフ豆腐の製造に特徴なのは、パッケージに入れる原料が豆乳(大豆から抽出したホエー)だということです(図3)。
図3. ロングライフ豆腐製品パッケージの中身(完成前)
パーケージに無菌的に豆乳を入れ、加熱し、その後冷却します。これで豆腐ができあがります(図4)。
図3. 加熱と冷却でロングライフ豆腐のできあがり
この加熱・冷却は、殺菌効果を生むと同時に、豆乳からいわゆる湯葉を生成することになります。つまり簡単に言えば、従来のにがりを添加した凝固タンパクとしての豆腐を作るのではなく、加熱凝固タンパクとしての湯葉の塊を作っていることになります。
湯葉の塊ですから従来の豆腐とは食感も味を変わることになります。番組でロングライフ豆腐を食べた人の「濃厚な味だ」という感想を紹介していましたが、まさしく
そのことが現れているのではないかと思いました。私は食べたことはありませんが。
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