今日は小山田緑地に行ってきました。東京都町田市にある都立の丘陵緑地公園です。計画面積は100 ha以上あり、実際歩いてみると広大です。東京国際カントリー倶楽部ゴルフ場で分断された、いくつかの丘陵緑地から成り、本園、梅木窪分園、大久保分園、山中分園等に分かれています。なぜ分断されているのかもよくわかりませんね。
写真1
さらに10分弱歩くと山中分園との分岐点に着きました(写真2)。山中分園は後回しにして、本園をめざします。
写真2
延々とゴルフ場を左手に見ながら進みました(写真3)。写真は進行方向から逆向きに撮っています。とにかくここを訪れて感じることは、ゴルフ場の丘陵だということです。
写真3
やがて大久保分園との分岐点に着き、大久保分園の方向に向かいました。この分園の入り口にトンボ池があり、さらに小山田緑地という標識があります(写真4)。普通に歩けば、駅から30-40分程度でここまでたどり着けると思いますが、途中、エノキの根元を見たり、写真を撮ったりしたので、1時間ほどかかってしまいました。
写真4
山肌の階段道を登って行くと、写真5のエノキの地点に着きます。ここまでの道中で感じたのですが、この丘陵はやたら乾燥しているということです。湿度計で測ってみたら、都区内の都市公園よりも10%程度低い値を示しました。
周囲がゴルフ場である上に、写真に見られるように、ご丁寧にも山肌に生えるササや下草がすっかり刈り取られています。広場や運動場もあります。乾燥するはずです。道中、エノキの根元には落ち葉がほとんどなく、あったとしてもカサカサに乾燥していました。
写真5
やがて本園に到着し、見晴らし広場に行ってみました(写真6)。空気が乾燥していて清々しい風が吹いていました。見晴らしは良いし、風は気持ちいいのですが、この乾きぶりは気になりました。
写真6
途中の分園のエノキには何も印がなかったのですが、本園内のエノキにはピンクのプラスチック紐が巻かれていました(写真7左)。管理者がエノキに選択的に印をつけて、オオムラサキの越冬幼虫をチェックしているのでは?と思いました。エノキの根元を見ると不自然に落ち葉がなく、かつ下草やササが切り取られていました(写真7右)。どうやら落ち葉ごと採取した後のようです。
写真7
一部のエノキには根元にメッシュのカバーがしてあり、落ち葉を保護する対策がとられていました(写真8)。
本園を後にするときに、入り口にある小山田緑地サービスセンターを訪れました(写真9左)。オオムラサキの展示があり、「ほとんどいなくなったけど、ここではまだ少しだけいきのこっています」という記述がありました(写真9右)。
写真9
センターの職員の方がいらっしゃたので、先ほどのエノキのピンクの目印や根元に落ち葉がないことについて、いろいろと訊いてみました。そうしたら、センターではエノキに目印をつけていること、オオムラサキの越冬幼虫の生息状況について調べていること、部分的に落ち葉ごと回収して保護していることなどについて、説明を受けることができました。なるほどと納得しました。
私からは、この緑地は乾燥しすぎているので、湿気を保つように下草の刈り取りを軽減し、中間木を植えるなどの対策をとったらどうかと提言しました。
手に届く範囲で緑地内のエノキをチェックしてみましたが、確かにオオムラサキが生息していると言うには、お粗末過ぎるほどの越冬幼虫の少なさでした。もちろん、管理者による引き上げもあるでしょうし、マニアによる採集の影響もあるでしょう。不自然な落ち葉の散在も見受けられました。
そこで、当該緑地を出て周辺の雑木林を探索してみました。明らかにこちらの方が湿気を感じます。それを証明するかのように、オオムラサキの越冬幼虫がたくさん出てきました(写真10)。
横沢入でもそうだったのですが、管理区域以外でオオムラサキの越冬幼虫が多いとは皮肉ですね。
写真10
カテゴリー:エノキ下の越冬幼虫の探索