横沢入での探索
昨日は東京都あきる野市の横沢入里山保全地域に行ってきました。今年だけで3回目の訪問です。水田がある里山の風景が広がる丘陵地域ですが、私はオオムラサキやゴマダラチョウの越冬幼虫などの観察も兼ねているのでもっぱら冬に訪れています。
写真1
今日は東側尾根と北側尾根を歩きました(写真1の地図上にあるほぼ点線に沿う道)。下の川入り口でエノキの観察を行った後、東側尾根に向かう道に入っていきました。最初は急勾配の道です。張られたトラロープが手助けになります(写真2、上から下を見たところ)。
写真2
写真3のようなコナラ、クヌギ、イヌシデなどの落葉広葉樹の雑木林の道が続きます。エノキの高木もありますが数は少ないです。
写真3
東側尾根の到達点です(写真4)。ここからから日の出団地方面へ一旦降り、それから唐松山へ向かいました。
写真4
年々感じるのはこの丘陵が非常に乾燥していることです。落ち葉がカサカサして滑りやすくなっています。オオムラサキの生息域として知られてきた横沢入ですが、現在はわずかしか見られなくなってしまった原因があるような気がします。
唐松山を経て一旦中央湿地に下り、周辺のエノキの根元の観察を行いました。斜面に沿って点々とエノキの高木がありますが(写真5)、この場所での成果はゴマダラチョウの越冬幼虫を1匹見つけたのみでした。
写真5
さらに北側尾根に向かいましたが、ここでも急勾配の道がありトラロープが手助けとなりました。そこから釜の久保の地点まで下りました(写真6)。
写真6
写真7
丘陵の乾燥はオオムラサキの越冬幼虫に悪影響を与えますが、その要因として気候変動や過度の下草の刈り取り、伐採等が考えられます。この区域でも下草の刈り取り跡が気になりました。
保全区域を離れた周辺にはまだ越冬幼虫が生息しているということは、別の原因も考えられます。その一つはマニアによる採集圧でしょう。保全地域のエノキの根元から毎年幼虫から持ち去られ、発生頭数が少なくなってくると遺伝的に適応力がなくなり、急速に絶滅していくものと考えられます。横沢入はそのギリギリのラインにあるのかもしれません。
標高100-300 m程度の丘陵の行程でしたが、今回は東尾根と北尾根も回り途中起伏の激しいところもあって疲れました。
カテゴリー:エノキ下の越冬幼虫の探索