Dr. Tairaのブログ

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浜離宮のエノキと越冬幼虫

今日は、浜離宮恩賜庭園に行ってきました。東京都中央区汐留駅の近くにある都立庭園であり、観光名所の一つになっています。東京湾から海水を取り入れ潮の干満で景色の変化を楽しむ庭園として江戸時代に造成されたものですが、今はうっそうとした樹木が茂るエリアもあります。
 
浜離宮は観光スポットですが、今日は別に観光で行ったわけではなく、ここに生えるエノキの観察と根元のHetina 属越冬幼虫の観察が目的です。この庭園にはエノキの大木がたくさんあり、ゴマダラチョウの成虫が多くみられることで知られています。しかし年々飛ぶ姿は減少しています。
 
入場料金を払って園内に入ると、すぐに菜の花畑がありました。梅の枝の間から見える汐留のビル群をバックにして写真におさめました(写真1)。梅と菜の花と高層ビルの組み合わせという、なかなかシュールな光景だと思います。
 
外国人観光客が多く、人をいれずに写真にするのに苦労しました。
 
イメージ 1
写真1
 
こちらは東京タワーを遠望できる角度で撮りました(写真2)。
 
イメージ 2
写真2
 
園内にあるエノキの大木の一つです(写真3)。
 
イメージ 3
写真3
 
こちらは東京湾方面をバックにしたエノキの大木です(写真4)。
 
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写真4
 
園内はとにかくエノキの高木・大木が多く、立ち入れない場所を除いても、今日1日10本以上の観察となりました。ただ残念だったのは、ご多分に洩れず、大部分の木の根元の落ち葉がなくなっていることです(写真5)。とくに、ゴマダラチョウの越冬幼虫が好む北側の影の部分の落ち葉がほとんどなくなっていました。この公園の普段の風向きのせいでしょうか。
 
イメージ 5
写真5
 
そこで、写真6のように、少しでも北側に落ち葉が残っているのを見つけては、幼虫探しを行いました。
 
イメージ 6
写真6
 
結果として、チェックした10本ちょっとの約半数から、ゴマダラチョウの越冬幼虫を検出しました。落ち葉が少ない北側から出てくることはむしろ少なく、東西や、場合によっては南側からも検出されました。
 
しかも検出される数は1本あたり1–2頭と少なかったことから、おそらく北側に降りた主部隊の幼虫群は風に飛ばされ、散り散りバラバラになったと想像されます。もし落ち葉が残っていれば、大量に検出されたことでしょう。検出した幼虫の一つを写真7に示します。
 
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写真7
 
いつものとおり、幼虫を元いた場所に戻し、できるだけ落ち葉を被せ、拾った小枝でカバーして応急処置をしました(写真8)。1頭でも多く成虫になってくれることを祈るばかりです。
 
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写真8
 
いつものとおり、アカボシゴマダラの越冬幼虫はエノキの高木からは検出されませんでした。幼木もいくつかあったのでチェックしてみましたが、見つけることはできませんでした。