Dr. Tairaのブログ

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今日のゴマダラチョウ幼虫

一昨日、エノキ幼木の幹上にアカボシゴマダラ越冬幼虫をいることをこのブログで紹介しましたが、昨日も幹上にアカボシの幼虫を見つけました(写真1)。その現場から立ち去る時に、すぐ近くにエノキの成木があるのを確認しました。その時は時間がなくてじっくり見ることができなかったので、今日あらためてそこを訪れてみました。
 
イメージ 2
写真1
 
目的は、幼木にアカボシの越冬幼虫がいるので、すぐそばの成木にもひょっとしたらそれがいるかもしれないという考えのもとでの探索です。もちろん、ゴマダラチョウの越冬幼虫の探索もいっしょに行いました。
 
幼虫探索の対象のエノキを写真2に示します。このような独立してポツンと立っているエノキの高木においては、根元に落ち葉さえ残っていれば、まず確実にゴマダラチョウの越冬幼虫を見つけることができます。
 
イメージ 1
写真2
 
案の定、落ち葉を探索し始めてすぐに最初のゴマダラチョウの幼虫を見つけることができました(写真3)。
 
イメージ 3
写真3
 
続いて写真4の幼虫が出てきました。
 
イメージ 4
写真4
 
その後も続々とゴマダラチョウが見つかったものの、結局、アカボシゴマダラは出てきませんでした。
 
これまで何度となく、幼木と高木がいっしょに生えているエリアで、それぞれアカボシゴマダラとゴマダラチョウを検出してきましたが、両者が一つの成木にいっしょにいることは稀です。この理由は何でしょうか。
 
一つは両種がもともと有している食樹としてのエノキの選択性です。
 
もう一つはあくまでも推測に域を出ませんが、両者の成虫の飛行形態の違いも考えられます。ゴマダラチョウは比較的高い位置で高速に飛びます。そのために、目印になりやすい独立したエノキの高木を産卵に選びやすいのではないか?ということです。
 
一方のアカボシゴマダラはゆらゆらと穏やかに飛びますし(アサギマダラの飛び方に類似)、低い位置も盛んに降りてきます。幼木に止まりやすい飛び方ではないかと思っていますが。