ダンゴムシとワラジムシは小さな動物ですが、私たちに最も馴染深い土壌生物の仲間でしょう。両方とも節足動物門、軟甲綱、ワラジムシ目に属しますが、何百種類もいる仲間の中で丸くなる習性を持つものをダンゴムシ、丸くならないものをワラジムシと呼んでいます。種としては、それぞれオカダンゴムシ Armadillidium vulgare とワラジムシ Porcellio scaber に代表されます。
また、ワラジムシが進むスピードは割と速いですが、ダンゴムシの動きは明らかに遅く、容易にひっくり返すことができます(図2)。そしてすぐに丸くなってしまいます。
ダンゴムシもワラジムシも土壌生態系において分解者の役割を担っていると考えられています。すなわち、食物連鎖の中で生き餌を食べる生食連鎖ではなく、遺骸を食べる腐食連鎖の中での構成員としての役割です。具体的には、落ち葉や枯れ草などを食して分解し、微生物が食べやすい形に変換します。いわゆる土壌を耕す働きをしています。
しかし、とくにダンゴムシは、農作物の葉や茎などを食べる生食作用も持っているので、不快害虫としての側面も持ち、駆除の対象にもされています。図3のように、キャベツの芯を与えるとあっという間に寄ってきて食べ始めます。
したがって、生ゴミ処理過程においても、いつの間にか処理器に侵入し、生ゴミをあさっている姿が見られることがあります。ダンゴムシやワラジムシ、それにササラダニが発生している処理器では、明らかに生ゴミ分解スピードが速いです。
カテゴリー:生ゴミ処理の生物学