今日インターネットで「温暖化で哺乳類が初めて絶滅か」という記事 [1] を見ていたら、まさにそのタイミングでNHKがお昼のニュースで流していました。
オーストラリアには世界最大のサンゴ礁帯であるグレートバリアリーフがあります。このサンゴ礁帯の中のある島には「ブランブルケイ・メロミス」というネズミの仲間の哺乳類(図1)が生息していたのですが、それが絶滅したことをオーストラリア政府が発表したのです。
図1. 絶滅したとされるネズミの仲間「ブランブルケイ・メロミス」(2019.02.20 NHKニュースより)
絶滅の原因は地球温暖化です。サンゴ礁帯の島ですからもともと海抜が低いのですが、地球温暖化に伴う海面の上昇によって島ではたびたび浸水し、もはやこのネズミが見られなくなったということです。地元の大学の研究者チームは、地球温暖化の影響で哺乳類の絶滅が確認された初めての例だと指摘しています。
ネズミはヒトの誕生に通じる哺乳類の共通祖先に近い生物です。哺乳類の初期の形態を有するネズミの一種が絶滅したことは、これからの人類の運命を暗示しているようにさえ思えます。
1990年代に世界の著名な生命科学者に対して100年後の人類の未来についてアンケート調査が行われ、その中で同じ回答をしていた学者が何人もいたことを私は思い出しました。その答えはこうです「100年後? その質問は無意味でしょ。だってそのころはすでに人類は絶滅しているんだから」。
参考文献
[1] NHK NEWS WEB: 温暖化で哺乳類が初めて絶滅か オーストラリア. 2019.02.20.
カテゴリー:気候変動と地球環境問題