Dr. Tairaのブログ

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片付けられた越冬幼虫

今日また残念なことがありました。朝少し嫌な予感がしたので、雨の中でしたが定点観察をしている公園の一つに向かいました。
 
着いてビックリ、今月の初めまであった公園内のエノキの根元の下草と落ち葉が綺麗に除去されているではありませんか(写真1)。
 
イメージ 1
写真1
 
写真1の位置は通り道になっているわけでもなく、笹のブッシュになっていたエリアで普段は誰も入らないところです。そこにエノキが生えていて根元にゴマダラチョウ越冬幼虫が数頭いました。
 
私は彼らがいた場所に落ち葉を被せ、さらに枯れ木を乗せてカバーをしていました。ところが、下草と笹はすっかり刈られてしまっていて落ち葉も枯れ木もすっかりなくなっていました(写真2矢印が幼虫がいた位置)。もちろん幼虫は春を迎えることなく片付けられてしまったことになります。ほかの2本のエノキの高木も同様です。
 
人が通るところは仕方ないとしても、普段足を踏み入れることのないところまで根こそぎ持って行ってしまうとは..どうなんでしょうね。
 
イメージ 2
写真2
 
エノキの低木が生えていたエリアもすっかり下草と落ち葉がなくなっていました(写真3)。ここも人が足を踏み入れることはないブッシュになっていたところで、落ち葉の下にアカボシゴマダラが10頭とゴマダラチョウが1頭いました。
 
イメージ 3
写真3
 
以前市の担当課には、市内の公園にはゴマダラチョウがいるのでエノキと落ち葉の管理をよろしくとお願いしておいたのですが。こんなことならゴマダラチョウだけでも保護しておけばよかったと後悔しています。
 
市の公園管理マニュアルには「自然との共生」と「環境保全」を図り「生物多様性」を維持するなどのフレーズが並んでいるのですが。むなしく響くばかりです。