今日は昆虫の定点観察の場所の一つである市川市大町公園自然観察園に行ってきました。市街地の中とは思えないほどの自然が残されているところで、約1 kmにわたって、湿地と樹林が続きます。
写真1は公園の入り口です。
写真1
湿地帯の中央には写真2のような水路が確保されており、たくさんの水棲生物が生活しています。コンクリート性の散策路の上を延々と歩いて行きます。
写真2
カエデには紅葉が見られました(写真3)。
写真3
今回の主目的の一つは、アカボシゴマダラとゴマダラチョウの幼虫の探索です。公園内には食草となるエノキの大木や小木がたくさんありますが、これらのチョウが好む幼木は意外と少なめでした。
公園の中央にはバラ園があり、この横の道に沿って5-10 m間隔で20本ほどのエノキの幼木がありました(写真4の左側)。幼木のエノキの葉には食痕は見られましたが、幼虫は見つかりませんでした。さらに、低木をも含めて直下の落ち葉を約1時間にわたって探ってみましたが、完全な空振りに終わってしまいました。
道には延々と保護柵がしてあり、あるいは湿地帯ごしにエノキが生えているような状態で、十分に探れなかったのが残念です。
写真4
途中の運動場にもエノキ幼木が10本ほどありましたが、ここにも幼虫はまったく見つかりませんでした。
というわけで、そのほかの昆虫を探しましたが、あいにくの曇り空で肌寒く、飛翔する昆虫の姿は皆無でした。数少ない中で出会ったのがナシケンモン Viminia rumicis の幼虫です(写真5)。
写真5
ハエ目の仲間が葉の上にいました(写真6)。ベッコウバエ Dryomyza formosa です。雑木林にいてよく樹液を吸っているハエです。
写真6
もう一つハエ目昆虫がいました。オオクロバエ Calliphora nigribarbis です(写真7)。この種もよく雑木林の中にいて、動物の糞や樹液に集まっているところを見かけます。今日は、エノキの葉の上にいました。
写真7
そのほかにバッタの仲間がたくさんいましたが、シャッターチャンスを逃してしまいました。
公園入り口付近の池にはカワセミがいました。写真を撮りたかったのですが、広角望遠レンズを構えたカメラおじさんたちが陣取っていて、1万円のデジカメしか持っていない私は気が引けて入り込むことができませんでした。
全行程17,000歩の探索・観察で、収穫もほとんどなかったことで、ウチに帰り着いた頃にはどっと疲れがきました。