生活の新常識ー蒸気の活用法
3日前になりますが、NHK「あさイチ」で「生活の新常識ー蒸気の活用法」と銘打って、水蒸気の美容や快適性への応用、洗濯・クリーニングへの応用、衣服管理への応用を取り上げていました。ここで、あらためて紹介したいと思います。
まず、私たちの身体の快適性や美容への応用ですが、温かい濡れたタオル(いわゆる温かいおしぼり状態)の活用術です。私たちは同じ温度でも湿熱と乾熱では感じる温度が異なります。これは熱の伝わり方が異なるからです(図1A)。
具体的には湿熱の方が温かく感じます。同じ温度の乾いた布と濡れた布を体に当てて、これを実際にサーモグラフィーで証明していました(図1B)。湿熱では水蒸気の効果で体がより温まります(図1C)。
実際に温かい濡れたタオルや布を10分間、目に被せて当てるだけで、ピント調節、ドライアイに効果があり、熟睡にも効果的であると説明されていました(図2A)。
入浴の際に水蒸気を顔の周辺に保つ状態にすると(たとえば面倒ですが顔の上に傘をさして湯船に浸かる)、そうでない場合と比べて肌の保湿効果が1.5倍に上がります(図2B)。また肌の温度が高いほど美容化粧品の有効成分の浸透力が増すとされています(図2C)。
次に、水蒸気の洗濯・クリーニングへの活用術です。ここでは、シワのばしへの応用を紹介します。図3に示すように、シワがよった衣服にまずアイロンの蒸気を当てます。そしてぐ〜んと大胆に引き伸ばします。そして、その後手でこすりながらシワを伸ばしていくだけです。
これを繰り返すだけで、あっという間にシワが伸びることが示されていました。別にアイロンで引き伸ばさなくても、パ〜ンと引き伸ばせば、後は手だけでよいというところがミソのようです。
最後に、衣服の上のカビ防除へに水蒸気を利用する方法です。衣服は着用すると体からついた汗や皮脂が付着し、カビが生える原因になります(図4)。
そこで、これらのカビを防除するために水蒸気を利用します。具体的には80℃程度のアイロンの蒸気を10秒間、衣服の片側だけに当てます(図5)。これによりカビがほとんど生えなくなります。
実際に蒸気を80℃当てた布とそうでないものを拭き取ってサンプリングし、カビを培養する実験を行なっていました。その結果、蒸気を当てたものはまったくカビが生えなかったのに対し(図6A)、そうでないものはカビだらけになってしまいました(図6B)。
水蒸気の使い方にはいろいろ技があることがわかりました。私はカビ防除にはすでに使っていましたが、そのほかも試してみようと思います。