家の外壁の上をけっこうなスピードで移動する大型のアリを見つけました。クロオオアリ(Camponotus japonicus)です。急いで撮影し、体長を測ったところ12 mmほどありました(図1)。日本本土に分布するアリの中では、ムネアカオオアリと並んで最大となる大型のアリで、最も普通に見られる種の1つです。
図1. 壁の上を移動するクロオオアリ(体長12 mm)
クロオオアリの特徴として、光沢のない黒灰色の体、発達した頭部、腹部背面に密生する褐色の剛毛などがあります(図2)。体はキチン質(多糖)ですが、拡大してみるとまるで鉄でできているような感さえあります。
図2. クロオオアリの全体と特徴
発達した顎と口を撮ろうと思いましたが、動きが速く、なかなかシャッターチャンスがありません。やっと撮れたのが図3の画像です。頭部がボケていますが、鋏のような口と顎を持つ頭部はまるでクワガタのメスのようです。
図3. クワガタのメスようなクロオオアリの頭部
観察、撮影をしたのは10秒間くらいでしょうか、あっという間に去って行きました。