シオヤアブ(Promachus yesonicus)は、カマキリと並び称される昆虫界きっての肉食ハンターです。同じ双翅目(ハエ目)の強力なハンターであるスズメバチも襲うことがあり、私も目撃したことがあります。
今日は、路上にじっとしているシオヤアブのメスを見つけました。オスのお腹の先には白い毛の束があるので、見分けは容易です。弱っているのかなと思って近づいてよく見ると、しっかりとバッタをかかえていました(写真1)。
写真1
いつも携帯しているメジャーで測ってみると、3 cmを超えるような体長で、この種としては大きいです(写真2)。捕らえられているバッタはほぼ同じ大きさで、イボバッタのようにも見えましたがよくわかりませんでした。
写真2
ちょっと突いてみても、体液を吸っている最中なのか、なかなか動きませんでしたが、やがて飛び立ってコンクリートの擁壁の上の方に止まりました。それでもしっかりと獲物は抱えたままです(写真3)。
写真3
シオヤアブの狩りは枝先などに止まって獲物を待ち伏せします。発達した視力をもつその複眼で獲物を見つけると、一気に襲いかかり、捕らえます。空中捕獲した後は、そのまま近くの枝や葉に止まり、体液を吸い始めると言われていますが、今回見つけたものは地面でした。おそらく、食事の最中に私に邪魔され、彼女にとっては迷惑だったかもしれません。