Dr. Tairaのブログ

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アメリカミズアブの幼虫

前回からしばらく情報を更新していませんが、ウチの植木鉢生ゴミ処理器は順調です。5月、6月、7月の今日まで、一度も引き抜きを行なっていません。処理器内温度は常時42℃を超えています。
 
ときどき、処理器内にイエバエやニクバエの幼虫がいることがありましたが、気になる数ではなく、夏の訪れとともにあまり見かけなくなっていました。
 
そしたら今日、アメリカミズアブの幼虫がいました。体長は24 mmです(図1)。今の植木鉢では、初めて見ました。

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図1. アメリカミズアブの幼虫
 
上の画像の拡大が図2です。シワが深く、11の体節があり、体節ごとに毛が生えています。右側に突起のようなものが見えますが、こちらが頭です。処理器内をけっこう探してみましたが、この1匹しか見つけることができませんでした。
 
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図2. アメリカミズアブの幼虫にみられる11の体節と表面の毛
 
アメリカミズアブの幼虫は、旺盛に生ゴミを食べます。もう20年以上も前に、どのような果物や野菜に嗜好性があるのか実験したことがありますが、当時の実験ノートが見つからず、結果を忘れてしまいました。
 
インターネット検索していたら、実際に、アメリカミズアブを生ゴミ処理に応用した研究報告がありました。大阪府立環境農林水産総合研究所の研究です [1]
 
成虫は黒色をしており、翅が濃い紫から褐色に輝きます(図3)。触覚がV字型をしているのが特徴で、体色と触覚の形で簡単に同定できます。

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図3. ビヨウヤナギの葉の上に止まるアメリカミズアブと開翅標本(挿入図)
 
参考文献
 
1. 平康博章ら:アメリカミズアブ幼虫による処理に適した食品廃棄物. 大阪府立環農水研報 , 1–5(2017). http://www.kannousuiken-osaka.or.jp/_files/00078269/h2901-2.pdf