Dr. Tairaのブログ

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ハエの幼虫とアリ

家庭で行う生ゴミ処理の中で、問題になるのが昆虫の侵入です。侵入しやすい昆虫としては以下が挙げられます。

エバMusca domestica
ニクバエ(ニクバエ科ハエの総称)
アメリカミズアブHermetia illucens
クロオオアリCamponotus japonicus
クロヤマアリFormica japonica
 
エバエやニクバエは3,000種いるといわれるハエの中でも、私たちの生活環境にもっとも身近なハエの1つです(図1)。アメリカミズアブは戦後日本に入ってきた外来昆虫で、本州以南に生息します。どちらも生ゴミの臭いを嗅ぎつけて寄ってきます。卵を産み付けられると幼虫(いわゆるウジ虫)が発生して大変です。中部以南では生ゴミ処理器に発生する幼虫はほとんどアメリカミズアブですが、関東には少ないようです。

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図1. ビヨウヤナギの葉に止まるニクバエの一種

アリは容器の壁をよじ登って、処理物の上をウロウロするのを見かけます。

植木鉢式の生ゴミ処理では、容器にメッシュのカバーをして昆虫の侵入を防ぐようにしているのですが、それでも発生してしまいます。私は発見した時は割り箸で挟んで除くようにしています。

今日も生ゴミを入れるときに、処理物をかき混ぜたら10匹余りのハエ(おそらくニクバエ?)の幼虫が出てきました。箸でつまんで地面に置くと、瞬く間に体長1 cmほどのクロオオアリが寄ってきて、幼虫を運び始めました(図2)。
 
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図2. ハエの幼虫を運ぶクロオオアリ
 
別の幼虫には、小さめのアリ(体長3–5 mmほど)がたかっていました(図3)。クロナガアリアシナガアリの仲間でしょうか。こちらも集団で運んでいきます。
 
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図3. ハエの幼虫を運ぶ小さめのアリ
 
これまで、ハエやミズアブの幼虫は鳥やトカゲのエサになっていましたが、アリに持って行ってもらう手もありそうです。それにしてもアリの力はすごい!
 
生ゴミ処理マニュアル