人間は食料を生物学的エネルギーとして必要とすると同時に、外部からの電気エネルギーを生活に必要とします。地球上には3,000万種ともいわれる生物が存在していますが、悲しいかな、もはや電気エネルギーがなければ生きていけない生物は唯一人間(ヒト)のみです。これを考えると人間は進化しているのか、それとも横道に逸れているのかわからなくなります。
地球環境問題とも関連して、人類の生存を保障するためにいかに電気エネルギーを確保するかが重要な課題であるわけですが、この意味で再生可能エネルギー(再エネ)に頼るライフスタイルに大きくシフトしているのが世界の流れです。
安全で低コストの最先端技術という謳い文句で始まった原発ですが、放射性廃棄物の処分ができないという致命的欠陥があり、膨大な費用がかかることは福島第一原発の事故で嫌というほど経験済みです。行き先のない放射性廃棄物の国内での蓄積やあげくには低放射性物質含有処理水の海への放流ということに至っては、まさに時代遅れの不完全技術に対する後付けの言い訳にしかなりません。
加えてプルトニウムの問題があります。日本は使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し、資源として再利用する「核燃料サイクル」を核兵器保有国以外で唯一推進している国ですが、今やその保有量は約47トンです。原爆に換算して約6000発分に相当します。一体、このプルトニウムをどうするつもりなのでしょうか。
とはいえ、再生可能エネルギーへのシフトは時代の潮流です。日本でも太陽光発電などの再エネ利用を行なっている家庭が急速に増えています。放送では、余った電力は電力会社に買い取ってもらうことで、電気の使用料を相殺できるとも伝えていました。
ところが、電力会社の電力買い取りの原資は私たち国民からの賦課金であることは意外に知られていません。市民レベルでの再エネ利用率が増えるにつれて、賦課金の徴収額がどんどん上がり、2030年には3兆円を超えると予想されています(図3)。
再生可能エネルギー利用に関する賦課金は、電気使用料金に組み込まれて私たちは払わされています。2012年度には年間684円だったものが、2018年度には9084円と10倍以上に跳ね上がっています(図4)。再エネ利用の家庭が増え買い取っても、大手電力会社は決して損をしないようになっているのです。
企業レベルでの再生可能エネルギーの利用も加速化しています。世界的には、アップル、グーグル、アマゾンなどのグロバール大企業はすでに100%再生エネ化を達成しているか、それを目標にしています(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16239067.html)。
農業生産を支えるという取り組みです。