国立科学博物館(写真1)で催されている昆虫展に行ってきました。子供用のアレンジ中心の展示かなと予想して出かけたのですが、どうしてどうして、大人でも、さらに専門家でも十分に楽しめる内容になっていました。
写真1
写真2
写真3
写真4
そして、標本箱に入った標本の展示に続いていきます。ここでも、チョウ、ガ、甲虫、バッタなど大型の種を中心に展示してあり、興味をそそる内容です。写真5は、そのうちの一つでヨナグニサン(Attacus atlas ryukyuensis)です。前翅の開長が14 cmほどあり、世界で2番目の大きさと言われています。
ずらりと標本箱が並びます。この辺は3段に積み重ねた展示になっていたので、上の方は子供にはちょっときついかなと思ったりしました(写真6)。
写真6
標本展示の後は、昆虫の生態や機能に関する展示が並んでいました。たとえば、昆虫の多様性と保全の意義、「なめる」、「かむ」、「すう」などの口の働きの図解付きの説明、昆虫のフェロモンの働き、光受容細胞の相対分光感度、色の識別などについて詳しく、かつわかりやすく説明されていました。
最後には、昆虫のバイオテクノロジーという観点から、昆虫の産物や機能を産業的に応用した例が示されていました。写真7は、緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を組み込んだカイコが作り出す蛍光シルクの展示です。
写真7
出口に近づくと、昆虫採集に必要な道具や実際の採集法に関するビデオなどがありました。
親子連れのお客が目立っていましたが、むしろ大人が食い入るように見ていたのが印象的でした。このように、なかなか楽しめる内容になっており、昆虫に少しでも興味がある方は必見だと思います。