Dr. Tairaのブログ

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ルリタテハ


ルリタテハKaniska canace)はチョウ目タテハチョウ科ルリタテハ属の唯一の種で、青白い帯が入る濃紺の翅をもつ開長6 cm前後のチョウです(図1)。

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図1. ルリタテハの標本(開翅長: 64 mm)

今日道を歩いていたら、車道の上を黒っぽいチョウが止まったり飛び上がったりしているのが見えました。近づいてみたら、ルリタテハでした。

なぜか道路から立ち去ろうとせず、同じところに何回も止まります。地面に停止するたびに近づいて撮ろうとしましたが、何しろ車道の上です。ひっきりなしに車がやってきて危険であり、かつその度にルリタテハは飛び上がってしまいます。20分ほど粘りましたが、結局遠目でも写真に収めることができませんでした。

というわけで、代わりに6年前の今の時期にガラケー携帯で撮った路上のルリタテハの写真を載せます(写真1)。鮮やかな瑠璃色の個体です。

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写真1(撮影: 2012年10月、愛知県豊橋市北山町西の原)

思えば、ルリタテハとの最初の出会いは小学校5年生のときでした。ある日、担任の先生が自分が採集した昆虫の標本箱を見せながら、いろいろと解説してくれました。

その中に、ルリタテハをはじめとするクロコムラサキ、イシガキチョウ、メスグロヒョウモンなどのタテハチョウの仲間や、キリシマミドリシジミ、ルーミスシジミなどの美しいシジミチョウの姿があり、とても感動したことを覚えています。

そして、その標本を見た2、3日後に、今度は小学校の校庭を飛び回り、近くの樹液が流れるクヌギの木に止まったルリタテハを目撃して驚嘆し、本格的に昆虫採集に突入していったことを思い出します。

機会をみては、先生が運転するナナハンのバイクの後ろにまたがり、近くの、ときには遠くの山々へと昆虫採集に出かけました。今ではありえないことですね。