Dr. Tairaのブログ

生命と環境、微生物、科学と教育、生活科学、時事ネタなどに関する記事紹介

雑草の花図鑑


たまには外食もいいと思って、昨日自宅から歩いて15分くらいのところにある喫茶・レストランに行きました。基本的にイタリアンを中心とするランチメニューで、クリームソースのパスタランチを頼みました。

料理が出てくる間、店の棚にあったさまざまなの本や雑誌の中から、「美しき小さな雑草の花図鑑」というタイトルの本を手に取り、ページをめくってみました。著者は多田多恵子氏です。

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初見の予想とはちょっと違って、いわゆる雑草とよばれる植物の花を昆虫との関係で載せてありました。ウマノスズクサカタバミヘクソカズラといったチョウ目昆虫の食草となる種が載せてあり、コセンダングサヤブガラシなどの昆虫が大好きな花もありました。

ラッパ型のウマノスズクサの花の中に蜜に誘われて入った昆虫が、花の内部にある逆方向に生えた毛にひっかかって閉じ込められる話もしっかり書いてありました。ただ、花の写真が各ページの真ん中にどーんと載せてあるので(実物大写真もありますが)、実際野外で見るイメージとは違うなという感じもしました。

印象に残ったのは最後のページにあった雑草の生態や外来種に関する記事です。人の手による開発や工事で植物の空白地帯ができるとそこに外来種が侵入しやすくなるという話は「うんうん」を思わずうなずいてしまいました。

工事で土砂や資材がトラックで運ばれると、特定外来生物オオキンケイギクが移動し新しくもちこまれてしまうという新聞記事を思い出しました。

人前では目立つクマなどの野生動物や特定外来生物の動物については社会はわりと大騒ぎしますが、移入植物や外来植物に関してはより無頓着のような気がします。すべて経済が優先する社会では外来種の問題は常に後回しになります。