Dr. Tairaのブログ

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竹林の中のケヤキ

街の中には自然の雑木林とはまた異なった趣の森が見られます。今日訪れた東京近辺の街の森もそのうちの一つです。ケヤキシラカシ、椿、三茶花などの植栽を基本とする屋敷林に、長い時間をかけて自然の造形が加わったような約4ヘクタールほどの森です。クヌギやコナラのような自然の雑木林に見られる樹木は少ないですが、イヌシデ、ムクノキ、コブシなどのさまざまな種類の大木が見られました。
 
特徴的なのは森の半分ほどがモウソウチク Phyllostachys heterocycla の竹林になっており(写真1)、その中にいくつの大木が生えていることです。
 
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写真1
 
竹林の中の大木はケヤキ Zelkova serrata です(写真2)。なかなか珍しい光景だと思います。
 
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写真2
 
ケヤキの一つは、樹皮がまだら模様になっていました(写真3)。珍しい模様です。
 
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写真3
 
竹林を抜けると深い森になっており、コナラやコブシの大木がありました。写真4コブシ Magnolia kobus です。
 
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写真4
 
森の中にはいくつかの昆虫も見られました。その一つで、ムラサキツバメが飛んでいましたが、シャッターチャンスがありませんでした。
 
写真5は葉上にとまるチャバネアオカムシ Plautia stali です。チャバネアオカメムシは胴体の中央が緑色をしていますが、写真の個体は越冬型で、褐色化しています。 1 cm強の大きさでした。

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写真5
 
森のはずれには2–3 mのケヤキの低木があり、おきまりのアカボシゴマダラ Hestina assimilis の幼虫が幹上にくっついていました。枝の二又の部分ではないところにいるのは珍しいです。
 
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写真6
 
この森にはフクロウやオオタカもいるそうなので、今度機会をあらためて訪れてみたいと思います。
 
  
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