春から秋まで、あちこちで見かける花の一つとして、アベリア(abelia)があります。公園や建物の中庭、周囲の植栽としてよく使われている植物です(写真1)。花に近づくといい匂いがします。
写真1
一方、ヤブガラシ(Cayratia japonica)は、その名のとおり、藪を枯らすほどにあっという間に繁ってしまう生育旺盛なブドウ科のつる性植物です(写真2)。家の周りに生い茂ると、家屋が貧相に見えるので嫌がられます。別名ビンボウカズラ(貧乏葛)と言われる所以です。しかし、昆虫たちはヤブガラシの花が大好きです。
写真2
ウチの近くの公園には、アベリアとヤブガラシが混生するエリアがあり(写真3)、いまこれらの花に昆虫が群がっています。1時間ほどの観察で、いくつかの昆虫を写真に収めることができましたので紹介します。
写真3
写真4は、ヤブガラシの花の蜜を吸うナガサキアゲハ Papilio memnon のメスです。少し藍色がかった黒地の翅に白と赤の模様が鮮やかです。ナガサキアゲハはこの10年、急速に関東地方に増えてきました。
写真4
写真5
写真6
写真7
ちょっと距離のあるところで、アカボシゴマダラ Hestina assimilis が、ユラユラ時には滑空しながら飛んでいました。やっと止まったところを撮りましたが、遠くて解像度が悪いです(写真8)。
写真8
写真9
ガの仲間も飛んでいて、オオスカシバ Cephonodes hylas とホシヒメホウジャクがいました。ホバリングしながら次々と花を移動していくので、なかなかシャッターチャンスがありませんでしたが、アベリアの花を吸蜜するオオスカシバを少し撮ることができました(写真10)。ちょっと姿がわかりづらいですが。
写真10
写真11
写真12