ヤマモモ(山桃、Morella rubra)は、ヤマモモ科ヤマモモ属の常緑樹で、大きくなると20 mくらいになります。比較的暖かいところに育つ暑さに強い樹木で、日本では関東以南の低地や山地に自生します。
特徴として、根に根粒と呼ばれる瘤(こぶ)を作り、その中に空中窒素を固定するフランキアという細菌を共生させています。このために、比較的栄養の乏しい土壌でも生育可能で、海岸や低山などの痩せ地で森林の主要構成種となっています。
緑化を目的とする植樹にも用いられており、街の街路樹や公園や樹木としてもよく見ることができます。写真1はウチの近くにあるヤマモモの街路樹です。
写真1
ヤマモモは雌雄異株で、春先に小さな桃色の目立たない花を咲かせ、6月に赤い果実(いわゆるヤマモモ)をつけます。結実には雄株が必要です。雌雄株が随所に植樹されているところでは、雌株の結実が見られます。雄株と雌株をそれぞれ、写真2および写真3に示します。
写真2(雄株)
写真3(雌株、赤い実がところどころに見える)
雌株の下には、赤い果実がたくさん落ちていることがあるので、雌株の目印になります(写真4)。
写真4
今日訪れたヤマモモの街路樹では、若干結実の時期が過ぎているようで、観察している間も果実がどんどん落ちてきました。
以前撮った同時期のヤマモモの結実の様子を、写真5および写真6に示します。
写真5
写真6
ヤマモモの果実は鳥などに食べられ、消化された後に排泄され、その場所で発芽する性質があります。果実は生で食べられますが、けっこう酸っぱいです。ジャムにした方が美味しく食べられます。
写真7
写真8
写真9
クチナシもありました(写真10)。周りをオオスカシバが飛んでいましたが、止まってくれなくて写真に収められませんでした。
写真10