Dr. Tairaのブログ

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冬のクビキリギリス

このブログでも何度も紹介していますが、この冬はクビキリギリス Euconocephalus thunbergi によく出会います。バッタ目キリギリス科の昆虫で、体長は60 mm前後です。成虫で越冬することが知られています。
 
今年になってからもすでに3回目撃しました。すべてエノキの根元の落ち葉をひっくり返して観察する際に出てきたものです。すでに紹介していますが再度アップしたいと思います。

写真1は1月5日、千葉県柏市内で撮ったものです。
 
イメージ 1
写真1
 
写真2は1月16日の個体です。千葉県松戸市内で撮りました。
 
イメージ 2
写真2
 
写真3は昨日(1月19日)千葉県鎌ヶ谷市内で撮ったものです。
 
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写真3
 
クビキリギリスには、緑色と褐色の個体(稀にピンク〜赤)がありますが、これまでエノキの根元から出てきたものはすべて緑色です。体色は環境の湿度によって決定されるとされており、湿度の高い状態では緑色になります。
 
エノキの落ち葉の下から緑色の個体が検出されるということは、この環境下で湿度が適度に保たれているということを意味します。したがって、ゴマダラチョウの越冬幼虫にも都合のよい条件ということになるでしょう。
 
とはいえ、そもそもエノキ成木におけるゴマダラチョウの幼虫検出の確率が10%程度と高くないので、クビキリギリスの成虫とゴマダラチョウの幼虫がいっしょに出てきたことはこれまでありません。
 
             
カテゴリー:昆虫の観察