この4日間、時間が許す限り嫌という程エノキを観て回りました。200本は軽く超えたと思います。公園内を観察するときは、あらかじめ市の当局に断りを入れておきましたが、それでも毎日のように「何やってるんですか」と通りがかりの人や、剪定業者や、町会の役員の方や学校の先生に声をかけられました(汗)。
天候不順なせいでしょうか、枯れかけていたエノキから新葉が出ているものを何本も見ました。エノキ観察の目的は、アカボシゴマダラの幼虫の分布調査ですが、そのほかの昆虫にもたくさん遭遇しました。
その一つがゴマフリドクガ Somena pulverea の幼虫です(写真1)。エノキの幼木の枝を手に取り、裏返ししたり、枝の下に潜ったりしながら観ているいると、目の前20 cmくらいの距離にこの幼虫がパッと現れました。
「おっと!」という感じで、すぐに遠ざけ、それから撮影しました。危うく触るところでしたが、この幼虫の毛には毒があります。以前、手に毛針が刺さってかぶれ、猛烈な痒みでヒドい目にあったことがあります。体長は22 mmでした。
写真1
ゴマフリドクガはドクガ科のガで、成虫はチャドクガに似て黄色い翅をもっています。成虫には触れたことはありませんが、成虫も幼虫同様毒毛をもっていると言われています。
幼虫は広食性として知られていますが、エノキの葉も食べるのでしょうか。
エノキの幼木を観た後に、樹高5-10 mの成木も観察しました。幹の周りや根元を観察していると、幹の上にキマダラカメムシ Erthesina fullo がいました。大きめのカメムシとして知られている種で、体長23 mmでした。
写真2