今日は所要で訪れた公共施設の近くに、クズ Pueraria montana var. lobata が生い茂る比較的広い荒地を見つけました(写真1)。クズはマメ科クズ属のツル性の多年草です。何年もわたってどんどん成長し、その場所を埋め尽くしてしまいます。きっと虫がいるに違いないと思い、帰りに立ち寄り観察してみました。
写真1
クズの葉の上を1分ほど探していたら、すぐにツチイナゴ Patanga japonica が見つかりました(写真2)。バッタ目イナゴ科に分類されるバッタの1種です。クズなどのマメ科植物が生い茂った草原に多く生息し、その大きい葉を好んで食べます。
写真2
大きさは50 mmほどでした(写真3)。探してみたら次々とたくさんの個体が見つかりました。
写真3
しばらく歩いていると、クズが生える荒地に沿って竹林があって、ところどころに樹高2-3mのエノキが生えていました。エノキの葉の裏をチェックしていたら、マルカメムシ Megacopta punctatissima が見つかりました(写真4)。これもクズが好きな昆虫で、クズやそのほかのマメ科植物の茎に群生していることがあります。
写真4
エノキにとまっていましたが、きっとすぐそばのクズの群生地から流れてきたのでしょう。クズが好きなカメムシとしては、以前紹介したホシハラビロヘリカメムシがいます(https://blogs.yahoo.co.jp/rplelegans130/16421526.html)。
マルカメムシは、体長が小さく5 mmほどしかありません(写真5)。その小さな体長と体型からは、まるで甲虫のようにも見えます。
写真5
クズの葉っぱをぬってセイタカアワダチソウ Solidago canadensis var. scabra やコセンダングサ Bidens pilosa var. pilosa も群生していました。これらの花には、モンシロチョウ、キタテハ、ウラナミシジミ、イチモンジセセリなどが訪れていました。
クズとは関係ありませんが、この中でキタテハの画像をアップします。写真6-8はコセンダングサを吸蜜していた個体です。キタテハはこの時期どこちでも飛び交っていますが、いかにも「撮ってください」と言わんばかりに翅をパタパタしながら広げるので、いつも撮ってしまいます。
写真6
写真7
写真8
一心不乱に吸蜜していたため簡単に手づかみできました(写真9)。
写真9